文字通りの崖っぷち、全国唯一の地名を残そうと埼玉・八潮に「垳っプチ饅頭」誕生
埼玉県八潮市の和菓子店「菓子道楽 杵屋」は、市内の地名「垳(がけ)」にちなんだ「垳っプチ饅頭(まんじゅう)」を発売した。全国で唯一とされる地名をPRしようと企画した。
八潮市垳は、東京都に面した八潮市南部の地名だ。土地区画整理事業が進む中、同市南部では行政区画の大きな「八潮市八潮」や「八潮市中央」に統合される形で旧地名が変更される事例が増えており、「垳」の存続も不安視されている。
このため、市民団体「八潮の地名から学ぶ会」が、垳の知名度アップを図り、地名を残す機運を高めようと、和菓子の商品化を同店に提案して快諾を得た。
饅頭は、八潮市産の白玉粉と北海道十勝産の小豆、沖縄県産の黒砂糖などで作った。商品名には「地名の存続は崖っぷちにある」との思いを込めたという。
同店の村山豊治社長(77)は「もちもち感と、さっぱりとした甘さが自慢。地元の和菓子店として、垳の地名存続にひと役買えればうれしい」と話している。税込み100円。