「帝京魂」再び!涙の逆転勝ち 高校サッカー“カナリア軍団”が15年ぶり全国切符
全国高校サッカー選手権の東京都予選決勝が16日、駒沢陸上競技場で行われ、Aブロックは全国優勝6度の帝京が国学院久我山を2―1で下し、15大会ぶり35度目の全国切符を手にした。Bブロックは前回4強の堀越が実践学園を延長戦の末に3―2で破り、2大会連続6度目の出場を決めた。 伝統のカナリア軍団が帰ってくる。帝京が2年連続で準決勝で敗れていた国学院久我山に逆転勝ち。1―1の後半39分に途中出場のFW土屋裕豊(3年)が決勝のPK弾を決めた。うれし涙を拭ったMF砂押大翔主将(3年)は「“今年こそ”という強い思いがあった」とリベンジに胸を張った。 選手権は歴代1位の80勝(PK戦、抽選含む)、戦後最多タイ6度の優勝を誇る。礒貝洋光、中田浩二ら多くのプロ選手を輩出し、フィジカルを生かした堅守速攻で高校サッカーを席巻。だが次第に他校の強化に後れを取り、09年を最後に全国からは遠ざかっていた。 転機は9年前。再建を託された日比威前監督がボールをつなぐ攻撃的なサッカーを取り入れると、スタイルに引かれて有力選手も集まるように。22年には夏の全国総体で準優勝した。今年からチームを引き継いだ藤倉寛監督は攻撃の幅をさらに増やし、名門復活への思いを結実させた。 15年ぶりの冬の大舞台。砂押は「新しい帝京をつくるために入学してきた。優勝しか考えてない」と宣言した。帝京魂を胸に91年度以来の頂点を本気でつかみにいく。