小谷野 楽夕（JR東日本）

　3月9日にJABAスポニチ東京大会が開幕し、等々力球場で行われたAブロック第二試合にJR東日本とJFE西日本が出場。5-4と1点差に迫る競った試合をJR東日本が勝ち切った。 【一覧】社会人野球部新人一覧 　JR東日本の先発小谷野 楽夕投手（日大三-日本大）は、初回こそJFE西日本の4番・綿谷 樹内野手（鹿児島実）に先制打を許したが、その後は安定した投球を披露。試合を振り返り、「この冬はフォーム改善や増量なども行い、平均球速をあげる練習を積んだことで、ストレートで押せる部分もあった」と、直球に自信がついたと語っている。また、「四球を出さなかったことも収穫になった」と続け、「ストレートだけでなく、変化球のキレも良くバランスの取れた投球が良い結果につながった」と初戦を好感触で終えた。 　濱岡 武明監督も小谷野投手を、「よく投げてくれた。初回に打たれたことで、開き直って力まず投げられていたと」と称えていた。継投策に入った8回は3点を奪われ、1点差に迫られたが、「（競った試合展開で）勝ち切れたことは次につながる」と前を向いていた。 　野手では小藤 翼捕手（日大三-早稲田大）が2安打2打点の活躍を見せると、杉崎 成騎外野手（東海大相模-東海大）や山内 慧外野手（美来工科-専修大）ら、チームを支える経験豊富な選手たちがタイムリーを放った。注目のルーキー栗林 泰三内野手（慶應義塾-慶應義塾大）が代打で出場。濱岡監督も、「能力はバツグン。何かやってくれると期待感がある」と称えたが、「スタメンの席が用意されているわけではない。結果で掴んで欲しい」と期待のこもったエールを送った。 　一方のJFE西日本は、4回から登板した岩本 龍之介投手（岡山理大附-亜細亜大）が5イニングを投げ4奪三振1失点と粘りの投球を見せたことで終盤のチャンスを呼んだ。岩本は、「社会人の選手を相手に、どのイニングも強気で攻めることができたことはいい経験になった。同じ球種でもクイックを使ったり、ストライクとボールを投げ分けて勝負したりと、工夫をしながら投げることができた」と語った。亜細亜大時代には中日にドラフト1位指名された草加 勝投手（創志学園-亜細亜大）と共にプレー。4年時の春季リーグ戦でデビューしたばかりだが、社会人野球を舞台に変え、その才能を開花させることが出来るか注目だ。 　野手も土井 克也内野手（唐津商-神奈川大）が8回2死満塁の場面で走者一掃のタイムリー2ベースを放つなど、持ち前の打力を見せつけた。少ないチャンスながら結果を残した打撃に今後も目が離せない。