瀬古利彦氏が2025箱根駅伝を大胆予想 「青学が強いと思うが、国学院は復路スタートが1分30以内なら逆転優勝の可能性があります」
監督になった教え子たち
こうした前提を踏まえ、今回の箱根を制する大学はどこか。瀬古氏は、「青学が強いと思う」とズバリ言い切った。 「原監督流に言えば、いずれも3位に終わった出雲・全日本の結果は、“死んだふり大作戦”というところでしょうね(笑)。三冠のプレッシャーがかかる国学院に比べ、前回の箱根も優勝している青学はノンプレッシャーで本番を迎えられて、選手も気楽に走れる」 ただ、関係者の間では、“瀬古氏が本命に推す大学は優勝できない”とのジンクスもあるという。 「だから、こんな予想を公言すると“瀬古さん、やめてくださいよ”と嘆く原監督の声が聞こえてきそうだけど(苦笑)、それでも青学に力があるのは間違いない」 青学大でカギを握る選手についても聞いた。 「初めてメンバー入りした鶴川正也君(4年)と、前回2区区間賞だった黒田朝日君(3年)には注目しています。鶴川君は1万mで27分43秒33と、青学で最もスピードがある選手。駒沢の篠原君に匹敵する魅力的なランナーで、日本の長距離界の将来を背負って立つ可能性がある。 問題はどこに起用するか。1区ではもったいないし、厳しいコースの2区は前回の経験がある黒田君が適任でしょう。そう考えると、今回は3区に置いた鶴川君で流れに乗り、4区の太田君、5区の若林君で一気に逃げ切って……うん、こういう予想をしている時が、一番楽しいねぇ(笑)」 メンバー選考や区間配置といった采配を含め、監督の力量も勝敗を左右する要素になる。 「当日までもそうですし、当日も選手にかける言葉で監督力が試されます。僕も現役時代、(早稲田大の)中村清監督がジープの監督車から“都の西北~”と校歌を歌ってくれた時は、心が震えて泣きながら走りましたよ。 早稲田大での(コーチ時代の)教え子だと城西の櫛部と早稲田の花田が監督になった。全日本では早稲田が5位、城西が6位で、櫛部は箱根での雪辱を誓っているでしょう。ただ、花田は“都の西北”を歌えるだろうけど、櫛部は城西大の校歌を歌えるのかな(笑)」