北陸新幹線「小浜ルート」支持なら、上越新幹線「新宿延伸」も検討すべき? 延伸ルート案と整備効果を徹底検証する
新宿延伸実現の場合の運行形態
新幹線の発着を東京と新宿に分散させれば、現状の大宮以南で最大16本の運行から、両ターミナル合わせて最大32本に増やすことができる。 ただし、32本全てを走らせる必要はないため、東京発・新宿発ともに3分45秒間隔を5分間隔で余裕を持たせたダイヤが理想的だ。営業列車と回送列車を交互に運行すれば、最短2分30秒間隔で運行可能になるため、営業列車の合間に回送列車を挟みながら運行できる。回送列車を除いて、1時間に最大12本ずつ、合計24本程度の発着枠があれば、ダイヤの自由度が大幅に向上し、臨時列車も含めて全て東京または新宿発になる。 新宿発の列車については、上越・北陸新幹線が中心となり、かがやき、はくたか、あさま、ときは毎時1本ずつ新宿発着となることが予想される。 一方、東京駅を利用している旅客の利便性も確保しなければならないため、かがやきやときは東京発のままで残すことも検討される。その場合、かがやきは東京と新宿から毎時1本ずつ、計2本運行されることになり、万が一に備えてリダンダンシーを確保するため、経費をかけて普段からこのような運行をすることが求められる。その経費増の分、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)は、JRが負担している線路使用料のうち、最も本数が少ない富山~長野間の使用料を安くして負担軽減にもつなげるべきだ。 北海道新幹線の札幌開業後、はやぶさが毎時4本設定される場合、そのうち1本が新宿発になり、やまびこも毎時3本のうち1本が新宿発に振り分けられる可能性がある。また、臨時便は新宿に全振りすることも可能だ。 東北、北海道、上越、北陸方面の列車は、最低でも毎時1本以上新宿発を設定し、北陸と東北方面は若干多めに運行すると、定期列車だけで新宿から毎時6本の新幹線が出ることが予想される。東京発も毎時10本程度は残るだろう。 これらの予想はあくまで筆者の個人的な見解にすぎないため、読者の皆さんにはさまざまなパターンを想定してもらえればと思う。