ロシアのクリスマス祝う市民「ただ平和ほしい」 強硬プーチン氏と溝
ロシアは7日、ウクライナへの侵攻開始から3回目のクリスマスを迎える。街はイルミネーションに彩られ、市民は買い物やイベントを楽しむ。ただ、大規模な新年の花火は中止が続き、警備も厳重になった。戦争反対の声が封じられるなか、市民からは平和を望む声が出ている。 【写真】「撃墜」報道受けロシア便の休止相次ぐ 「空の安全」懸念が現実に 「2025年はどんな年だろう」。5日、モスクワ中心部の広場で開かれた新年とクリスマスを祝うイベントで司会者が叫ぶと、観客が「幸せな年」と声をそろえた。 ロシア正教会のクリスマスは1月7日で、ロシアでは新年と一緒に祝う。これに先立ち、ロシア版サンタクロース「寒さおじいさん」が登場するなど様々なイベントが各地で行われ、家族連れらの笑顔があふれた。 ただ、今年の願いを来場者に聞くと、笑顔の裏に不安も見えた。40代の女性は「ただ平和がほしい。(戦争は)すべて政治だ。市民は平和に暮らしたいだけです」と漏らした。 いまのロシアで「戦争反対」を言うと、逮捕される危険がある。それだけに人びとの言葉遣いは慎重だったが、ウクライナ侵攻への支持ではなく、平和への願いをまっすぐに訴えたのには、少し驚いた。 侵攻をめぐり、強硬姿勢を続けるプーチン大統領と市民との「溝」も感じた。
朝日新聞社