「人権意識が低い」検証委に突き付けられた名古屋の河村市長が反省の弁 障害者差別発言問題
最終報告書に記載された内容は?
そして、先ほどまとめられた最終報告書。 市長らが出席した市民討論会で差別発言を止められなかったことについては「市長や市職員の人権問題への意識の低さ」が要因の一つと指摘。 さらに―― 「いくつもの解釈が可能な形で市民への情報発信があり、討論会がどういう目的で実施されたか不明確なものになった。激しい対立が持ち込まれ、差別発言を生じる素地をつくった」(検証委員会 田中伸明委員長) 「討論会」という名称が参加する市民が対立する意見の相手に強く主張するという展開を招き、差別発言が発せられるきっかけになった可能性があり、名称として不適切だったとしました。
「実効性のある人権条例の制定」を求める
また市長は当日の差別発言は聞き取れていなかったとしていましたが、公職者として差別は許されないという市の立場を明確に強く表明するべきであったと主張。 その上で検証委員会は既に制定されている条例を補完する、実効性のある人権条例の制定を求めました。 最終報告書を受け取った河村市長は―― 「希薄だというのは自分の認識と違うが、それでも気付くべきだった。こういう発言が出ることに心の準備をしておくべきだったと言われれば希薄だった。世界一のバリアフリー都市を作っていく」
河村市長は従来の主張を繰り返す
「世界一のバリアフリー都市」という発言に、検証委員会の委員長は―― 「今後、最終報告書を市長によく見て頂き、提言のところをしっかり受け止めていただけると信じている」(田中委員長) 一方で、発端となったエレベーターの設置について河村市長は従来の主張を繰り返しました。 「天守は別個の文化財として、ただ一つしかない名古屋城の宝。本物を大事にしていくことも人権ですから」(河村市長) Q.エレベーターを5階までつけたくない 「そうですよ」(河村市長)
最終報告に当事者が思うこと
最終報告を当事者はどう受け止めたのでしょうか。 検証委員会を傍聴した障害者団体のメンバーは―― 「人権意識が低いと思う。特に市長の人権意識が低い」(傍聴した男性) 報告書で指摘された「市長や市職員の人権問題への意識の低さ」について、これまでも感じるところがあったといいます。
「一からやり直す以外、解決策はない」
また対策として、障害者差別の解消のための新条例制定が提言されていますが―― 「(条例は)つくらないよりは、つくったほうがいいと思う。どういう形で具体化してくかが大切」(傍聴した男性) そして名古屋城のエレベーター設置をめぐっては―― 「木造天守を復元して、5階までのぼれるのがベストだが、仮にそれができないのなら、誰ものぼれないようにして、外から見るだけにするか、木造天守なんてあきらめて現在の名古屋城を再建する方が僕はいいんじゃないかと思う。一からやり直す以外解決策はないと思う」(傍聴した男性)