【独自解説】警察のトップが撲滅の大号令をかけた犯罪集団「トクリュウ」 特殊詐欺や闇バイト、悪質ホストクラブも絡んでいるという、その組織の特徴とは?
過去最多ペースで増加する特殊詐欺や闇バイト。その特殊詐欺などの犯罪撲滅に向け、警察庁のトップが大号令を発したのが“匿名・流動型犯罪グループ”、通称「トクリュウ」と呼ばれる犯罪集団の壊滅です。果たして「トクリュウ」とは一体どんな組織なのでしょうか?犯罪ジャーナリストの石原行雄氏が解説します。
国家公安委員長も警告 「トクリュウ」を壊滅せよ!
11月2日、松村祥史国家公安委員長は「特殊詐欺に深く関与する『匿名・流動型犯罪グループ』の取り締まりを強力に推進している」と語りました。この「匿名・流動型犯罪グループ」とは、「自分たちでグループ名を名乗らずに、匿名性の高いSNSで実行役を集めるため、指示役を特定しにくい」、「メンバーが良く入れ替わり、実行役を使い捨てるなど流動性が高い」といった特徴があります。想定するメインターゲットとしては「特殊詐欺グループ」や「“闇バイト”を使った強盗・窃盗」になります。
Q.最近だと、海外を拠点にした“ルフィ”の事件がありましたが、国内でも拠点を転々と移動したりするのですか? (犯罪ジャーナリスト 石原行雄氏) 「そうです。その上でこの『トクリュウ』はメンバーが集まった経緯も分かりにくいので、捜査で実態を把握しにくいのです」 Q.メンバーもコロコロ変わるので、実態がわかりにくいのですか? (石原氏) 「そうです。さらに実行犯に関しては、SNSで素人をかき集めるわけですので、前科がない人間も入っていたりすると、捜査で引っ掛かりにくいという特徴もあります」
警察も新しい対応に乗り出しています。従来、警察の捜査の原則は「発生地主義」でした。例えば九州で事件が起これば九州の警察が捜査をします。ただ、特殊詐欺グループの拠点が東京だった場合、九州の警察が東京に行って捜査をするということになっていました。そのため捜査員に土地鑑が無かったり、人員や予算の負担の問題が指摘されたりしていました。これを改善するために、警察庁が号令をかけて、“嘱託捜査チーム”というものを東京など大都市圏に設けました。これにより九州の事件でも特殊詐欺グループの拠点が東京の場合、九州の捜査員が東京に行かなくても東京の“嘱託捜査チーム”が捜査を行うようになります。
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