ぺろぺろきゃんでーが語る、兄妹の生き様「誰かにとっての居場所を作りたい」
「みんなで居場所を探したい、作りたい」
―「話題のGAL」がヒットして、ぺろきゃんの発信するギャルマインドが多くの人に届いたわけですけど、1曲ヒットするとその曲のイメージがつき過ぎてしまうというのもあるあるだったりして、現状をどう感じていますか? Janet真夢叶:めっちゃそれを感じますね。ライブをしてても、みんなが聴きたい曲はどうしても「話題のGAL」っていうのを肌で感じて、でもうちらが伝えたいのはギャルマインドだけじゃないって、最近はめっちゃ思ってます。ギャルマインドも伝えたいことの一つやけど、それ以上に「居場所の大切さ」というか、自分が置かれてる場所を居心地悪く感じてるんだったら違う場所に行ってもよくて、きっと自分がキラキラしていれる場所があるんだよ、ということを伝えたい。根本的には「みんなで居場所を作りたい、探したい」っていう想いがあるから、それを伝えていかなければと思ってますね。 ―「トットちゃん」はそのメッセージが込められている曲ですよね。 Janet真夢叶:ほんとにそう。私は小さい頃から1人遊びが大得意で、頭の中でキャラクターを生み出しては一緒に登校したり、それこそ宮野真守さんのライブに自分が出ていることを想像したりして。そこはめっちゃ居心地が良くて、誰も自分の好きなものを否定しない場所で、「六次元」みたいな感じで思っていて。「六次元」=「自分の好きを貫ける、心地いい場所」と捉えて、それをお兄ちゃんが上手いこと歌詞に〈ようこそ Six Dimension(六次元)〉っていうのを入れてくれたので、「トットちゃん」は今後どんなライブでも絶対に歌いたいと思うくらい、めっちゃ大事な曲です。自分を押しつぶしちゃうことほどもったいないことはないから、それを伝えたいですね。 ―今はリアルな世界だけじゃなくて、SNSの中も含めて、いろんなプレッシャーを感じたり、居場所のなさを感じている人がきっと多いでしょうからね。 SUNNY-PLAY:みんな頑張りすぎてる気がする。マジですごい大変やと思うんですよ。だって学校から帰ってきても、仕事から帰ってきても、SNSで繋がってるし。最近は「あの子が何とか言うからこのストーリーあげられへん」とか、「え?」と思う会話が普通にあったりするから、すっげえだるいやろうなって。そういうのって、彼・彼女たちからすればでかいことやけど、別のところから見たらそんなでもなかったりするじゃないですか。「こういう感じで言ってる人もおるんや」って、そういう気づきのきっかけになればいいですよね。 ―10代とかだと「ここが私の世界の全て」ってどうしても思っちゃうけど、それを外から見て、「ここも全然あるし、ここもあるし」っていうのを提案してあげるっていうのはすごく大事ですよね。 Janet真夢叶:「頑張ることが楽しい場所があるはずだから、そこに行ったらいいよ」みたいな感じかな。 ―先ほどの話はEP『CANDY POWER』のテーマにも繋がるというか、「自分の『好き』に対してはわがままでいい」ということがメッセージの中核にありますよね。 Janet真夢叶:周りを気にしてた自分がいたからこそ、「わがままになっていいんだよ」っていうことをちゃんと伝えられると思うんです。やっぱり周りの目を気にして、周りに合わせてやってるとしんどいし、生きるのがつらくなっちゃうんですよね。でも「頑張れ」って言われても、「何を頑張ったらいいんだろう?」みたいな、負のループにはまっちゃう。だからこそ、周りを気にするなとは言わないけど、1日でも半日でも自分にわがままに生きてもいいんだよっていうことを伝えたくて。お兄ちゃんがこの楽曲たちを持ってきてくれたときは、「これは心から歌える」と思いました。人に迷惑をかけるわがままじゃなくて、自分に対して甘くわがままになってもいいんだよっていうことを伝えたいですね。 SUNNY-PLAY:そう、わがままの意味は決して履き違えないでほしい。 Janet真夢叶:「自己肯定感」っていう言葉はあんまり好きじゃなくて。「自己ってどうやって肯定したらいいの?」って思うから、別の言い方を探したときに、「自分にわがままに生きることが大事」みたいなところに行き着きました。自分の好きを誰かに共有するのは難しいけど、自分自身だったら絶対に受け入れられるし、楽しめるから、自分自身にわがままであってほしいなって。 ―そのメッセージを伝えるために、4曲中2曲のタイトルに「わがまま」という言葉が入ってる(笑)。特に「わがままコーデ」はEPのテーマ曲のような一曲で。 SUNNY-PLAY:今の世間様のことというか、僕が友達としゃべったり見たりして、しんどそうやなって思ってることを書いた感じですね。『ラブandベリー』感を出したのは、ちょうどそのときにそういうのをずっと見ていたので、絶対「コーデ」を使いたくて。 ―「わがままマーメイド」も少女漫画がモチーフになってるんですよね。 SUNNY-PLAY:そう、『ぴちぴちピッチ』(笑)。今、あの辺の時代感の曲をずっと作ってて。あの時代の『なかよし』とかって、メッセージがすごいんですよ。恋愛ものかと思いきや、それこそ僕らが言ってるような、「こんな考え方はどう?」みたいなのがあるから、結構ヒントになって、ちょいちょい見てるんですよね。 ―「わがままマーメイド」はトラックも面白くて、さまざまなジャンルの要素がごちゃ混ぜになってますよね。途中で「昔毎週のようにTSUTAYAでCDを借りてた」という話を聞いて、たくさんインプットして、それを自分なりにアウトプットするのが上手い人なんだなって、勝手に納得しちゃったんですけど。 SUNNY-PLAY:もともと「わがままマーメイド」は1年半前くらいに作った曲で、最初はジャージークラブだったんですよ。でももうジャージーが人気になりすぎて、今さらこすってもつまらないよねって話になって、じゃあもういろいろ混ぜ込んでしまおうかと。ジャージーのバックボーンにはいろんなジャンルが入ってるし、それを提示してやれと思って、結果的におもちゃ箱みたいで面白いかなって。 ―真夢叶さん的には4曲の中で特にどれがお気に入りですか? Janet真夢叶:「どんまい。」はめっちゃ気持ち入って歌っちゃいます。私が最近女の子に対して思うのが、見た目ヴィランに見えてもプリンセスだっているんだよ、みたいなことで。なので、この曲の〈女は誰でもプリンセス〉っていうところがめっちゃ気に入ってます。女の子は誰にも触れられない、綺麗なものなんだよっていうのがこの1行に詰まってる気がしてて。「わがままコーデ」もそうですけど、「あなたはプリンセスなんだから、自分の物語を描きなさいよ」っていうことが伝わると思うので、超気に入って歌ってます。 ―「あなたの尺度じゃなくて、私は私の尺度で生きてるんだから」っていう。 Janet真夢叶:そうそう。彼氏ができちゃうと、「お前の化粧どうのこうの」とか言ってくる人がいて、それを気にしちゃったりもするかもしれないけど、「いや、あなた自身はあなたの物語のプリンセスなんだから、好きにしなさいよ」っていうのを伝えられる一曲になってる気がしてて、「伝われ!」って思う。 ―この曲は実話がベースになってるんですよね。 SUNNY-PLAY:そうです。妹とお店でご飯を食べてるときに隣に座ってたカップルの会話から着想を得ました。あのときのカップルがこれを聴いてくれたらいいのに。 Janet真夢叶:きっとこういう経験をしてる子が多いんよね。美の基準が勝手に決められちゃってる世の中で、細くなきゃいけない、メイクもこうしなきゃいけない、眉毛がどうのこうの、人中がどうのこうのとか。でも「そんなの知りません!」みたいな感じ。誰かが勝手に決めた美の基準でその子を測らないでってめっちゃ思って、叫ぶように歌っちゃいます。