ぺろぺろきゃんでーが語る、兄妹の生き様「誰かにとっての居場所を作りたい」
生きづらさを感じた時期
―ぺろきゃんには「ネガティブをポジティブに変換する」というメッセージの軸があり、それを象徴する言葉としてこれまで「ギャルマインド」を使ってきていますね。 Janet真夢叶:私、21歳ぐらいまではギャルマインドを持ってなかったんです。むしろ周りの目を気にして、「どうやって自分のコンプレックスを隠そう」みたいな、自分の存在を隠す方向でずっと生きてきて。でもめっちゃギャルな友達に出会ってから、人生ってこんなに自分にわがままに生きていいんやっていうことを学んで、そこから変わっていきました。そこまではほんまに、殻に閉じこもっていて、周りに合わせて、みんなが求めるものを提示しようとしてる自分やったのが、「自分はこうやからこうしたい」ってちゃんと言えるようになったんです。 ―それまではなかなか周りに馴染めなくて、不登校の時期もあったとか。 Janet真夢叶:小学校も中学校もほぼほぼ行ってませんでした。ブラックとのハーフだから、肌の色のことでめっちゃ不満を抱いてたし、アニメが好きだったけど、その頃はまだ「オタクきしょい」みたいなことを言われ続けて、「私はダメな要素しか持ってないんだ」って、自分で自分を押さえ込んで、「もう家から出たくない」みたいなところまで行ってたけど、何がきっかけだったのか……でもやっぱりライブに行ってからかな。まもちゃんのライブに行って、「私と同じように悩んでる子がめっちゃいるんだろうな」っていうのを感じて、「私はこの気持ちを伝えていきたい、方法は音楽だ」みたいになって。それからアイドルとかをしているうちに、歌も低いのしか歌えないし、また「やっぱり私ってダメなんだ」みたいになってたけど、ぺろきゃんをするようになって、ギャルの友達に出会って、弾け飛んだ感じですね。 ―SUNNYくんもこれまである種の生きづらさや居場所のなさを感じてた時期はありましたか? SUNNY-PLAY:ありましたけど、僕は妹より早い段階でそういう時期を抜けてはいて。小学校から高校までラグビーをやってたんですけど、小4のときにすごい点を取った日があって、それから周りの対応が変わって。それまでは周りからめっちゃ嫌なこと言われて、よくもめてたんですよ。でも「結果を出したら黙るんや」ということがわかってから、あまり気にしなくなりました。ただ、めっちゃ覚えてるのが……中学2年の学校行くときにおばちゃんが急に話しかけてきて、イヤホンを外して「何ですか?」って聞いたら、「肌が黒いの気持ち悪い」って突然言われて。そのときは落ちましたね。でも、それも1週間ぐらいかな。周りと違うのは逆にレアっていうか、目立ってるっていうことだから、別に落ちることないんじゃないかって、そう切り替えてからはあんまり苦に思わなくなりました。ぺろきゃんの歌詞は基本僕が書いてるんですけど、それもそういう経験をしてきたから書けるんです。たとえば「色恋沙汰」は失恋の歌ですけど、「見方を変えれば、経験値として失恋っていいよね」っていう風に持っていってるのは、そのおばちゃんの一件があったから書けるわけで。「マイナス要素も見方を変えたらプラスじゃない?」というマインドは、基本的にぺろきゃんの歌詞のどこかには入れてますね。