カスハラ防止に「録音」「複数で対応」、繰り返す客は出入り禁止…東京都が共通マニュアル素案
来年4月に施行する東京都カスタマーハラスメント防止条例の実効性を高めるため、都は28日、各業界の防止策のひな型となる「共通マニュアル」の素案を明らかにした。カスハラを繰り返す客には出入り禁止を言い渡すなど、具体的な対処法を明記している。
条例では、事業者はカスハラ防止のため、マニュアル作成などに努めなければならないと定めている。作成時の負担軽減や対策にばらつきが出ないようにするため、都は共通マニュアルを作ることにした。
素案は都内での有識者検討会に示された。カスハラに遭った時は「可能な限り録音」「オープンスペースや複数で対応」することなどを例示。土下座の謝罪要求は明確に拒み、聞き入れられない場合は退去を命令することも示した。正当なクレームをカスハラとして扱わないように、「顧客の権利を不当に侵害しないことが大切」とも記した。
有識者からは「具体例をもっと示すべきだ」などの意見が出た。都はこれらの意見を踏まえ、来年2月頃にマニュアルを完成させる。