自民、ステルス作戦で小池百合子氏を支援 都議補選では競合
20日告示された東京都知事選で自民党は小池百合子知事を支援するが、小池氏側の希望もあり、表立った応援は行わない「ステルス作戦」に徹する。派閥パーティー収入不記載事件の逆風下で、前面に出すぎれば逆効果になりかねないためだ。知事選と同日に投開票される9都議補欠選挙では小池氏側の候補と競合する事情もあり、支援と対決の両立に苦慮しそうだ。 【写真8枚】ニュースキャスター時代の小池百合子氏 等 「この8年間で東京は確実に進化している。この間に164の政策目標のうち90・3%を推進した」 小池氏は20日の出陣式で2期8年の実績や政策を中心に訴え、自民や立憲民主党など政党には言及しなかった。政党色を抑える戦略にあわせ、自民も「必要な支援を行っていく」(小渕優子選対委員長)と水面下のサポートにとどめる構えで、出陣式にも自民を含む国会議員が姿を現すことはなかった。 最近の地方選で敗戦が続いた自民だが、16日投開票の沖縄県議選では公明党などと合わせて過半数を制し、久々の勝報に沸いた。これに続く首都決戦でも勝者側に回ることで、次期衆院選や参院選に向け、流れを変えたい考えだ。 有力な対立候補の蓮舫氏は立民や共産党の全面支援を受ける。自民関係者は、共産と旧社会党が支えた昭和40~50年代の「革新都政」に触れ、「共産と共闘する知事を誕生させてはならない」と強調する。 一方で難しい事情もある。28日告示の9都議補選では、3選挙区で小池氏率いる「都民ファーストの会」と自民候補がぶつかる見込みとなっており、自民都連幹部は「補選を抱えるところ以外では全力で小池氏を支えるしかない」と語る。 5月の都議補選目黒選挙区で欠員2にもかかわらず議席を確保できなかった衝撃も残っており、「小池氏の支援をしている場合ではない」(都連関係者)との声も漏れる。(永井大輔)