ローソンでギガをもらえる「povo Data Oasis」と専用トッピング、その使い心地は
povo2.0を運営するKDDI Digital Lifeは、19日に「povo Data Oasis」という新サービスを開始しました。これは、ローソンに行くと1日1回、100MBがもらえる仕掛けのこと。ローソン店舗内でボタンをタップするだけでよく、来店のついでにデータ容量を入手できます。1回のデータ容量は100MBですが、月に10回までチャージ可能。合計すると、データ容量は1GBにもなります。 【画像】povoアプリのバナーから飛んで専用サイトを開く。「http://shop.povo.jp」で直接アクセスしてもいい。povoのメアドでログインを行う もう1つの新サービスが、povo Data Oasisと同じサイトで購入できる、ローソン専用のトッピングです。サービス名称は「povo shop」となっており、ローソンの商品にデータ容量がセットになっているのが特徴。これまでのコラボトッピングを拡大し、定常化した取り組みと言えます。この2つを、サービス開始日に早速使ってみました。その手順やおトク度を解説していきます。 ■ ローソンで専用サイトのボタンを押すだけ、簡単にもらえる100MB KDDIが三菱商事とローソンの共同経営に乗り出した一環として、povoに新たなサービスが追加されました。povo Data Oasisがそれです。これは、ローソンへの来店増加を目的とした施策。データ容量を1日1回、100MB付与することで、ユーザーをローソンに集客するのがKDDIの狙いになります。ユーザーの観点で言えば、ローソンに行くだけで100MBもらえるということです。 うれしいのが、本当に行くだけでOKというところ。何かを購入する義務はなく、気軽にデータ容量をチャージしに行くことができます。とにかくまずはローソンに来てもらうKDDI側の目的が透けて見えます。商品の購入などが条件になっていないため、その手順は極めてシンプルでした。まず、ローソンに行ったらpovoアプリを立ち上げます。ここにバナーが表示されているため、タップするとpovoのローソン専用サイトが読み込まれます。 このページには直接アクセスすることも可能。アプリを開くのが手間という人はブックマークを残したり、ホーム画面にアイコンを作っておいたりしてもいいでしょう。ローソン風のサイトではありますが、ここにはpovoのアカウントでログインします。povoに登録したメアドを入れると認証コードがメールで届くので、それを入力するとログインは完了します。 povo Data Oasisには、ログイン後のトップページにある大きなバナーから入れます。次の画面でブラウザが位置情報を取得するための権限に関する説明があるので、サッと読み、規約にチェックをつけてから「データ追加に進む」をタップします。すると、iOS、Androidともに位置情報の権限を求めるウィンドウが表示されます。この情報を使い、ローソン店舗であるかどうかを判定しているというわけです。ローソンであることが確認されると、すぐにデータ容量が追加され、最初のトップ画面に戻ります。 手順はこれだけ。アプリからブラウザに飛び、再度ログインする流れが少々面倒だと感じたものの、ローソンに行くだけで、本当に100MBがもらえてしまいました。1日に1回までという制限があるため、以降はバナーがグレーアウトして、タップできなくなります。なお、1日1回というのは1回線ごとの話。2回線、3回線とpovoを契約していると、そのぶんだけ100MBをもらうことができてお得です。 筆者は、iPhone 16 Proのデータ通信回線としてpovo2.0を利用しているほか、Galaxy Z Fold6のバックアップ回線としてもpovo2.0をスタンバイさせています。同様に、11インチiPad Pro(M4)にもpovo2.0のデータ通信専用プランを入れ、いざという時にいつでも無制限で使えるように待機させています。この3回線でそれぞれpovo Data Oasisを試したところ、それぞれに100MBずつ付与されました。手間や時間がかかるのと、何となくセコイ気がするのは否めませんが、複数回線を入れてデータ容量が切れたら切り替えるという使い方もできそうです。 ■ コラボトッピングを拡大したpovo shop、データ容量は実質無料 もう1つのpovo shopは、ローソンの消費券や商品を購入すると、そのオマケとしてデータ容量がついてくるサービスです。 元々povoには、「コラボトッピング」と呼ばれる仕組みがあり、何らかのサービスやポイント、商品券などにデータ容量がついてくることがありました。現状でも、スマホ充電レンタルのChargeSPOTや、スシロー、さらにはローソンとのコラボトッピングが販売されています。これらの中には、事実上、データ容量が無料になるものもありました。 例えば、現行のコラボトッピングで言えば、ローソンの「お買物券500円分」がそれに当たります。このトッピングは、価格が500円。500円で500円ぶんのクーポンが届くため、付属するデータ容量は実質無料ということになります。この場合のデータ容量は300MB(24時間)でした。povo shopはこれを拡張したような形で、先に挙げたpovo Data Oasisのサイトに飛ぶと、通常のアプリでは販売されていない特別なコラボトッピングを購入することが可能になります。 サービス開始初日に販売されていたのは、「お買物券500円分」「からあげクン4種」「なめらかカスタードのプチエクレア6個」「「プレミアムロールケーキ」の4種類。このうち、お買物券は通常のpovoアプリでも販売されているため、3種類がpovo shop限定のトッピングという形になります。 3種類とも、商品の販売価格そのままで提供されています。例えばからあげクントッピングは248円なのに対し、からあげクンも248円。プチエクレア、プレミアムロールケーキのトッピングはそれぞれ311円、227円ですが、これら2つも商品価格と同額に設定されています。いずれも、付与されるデータ容量は300MB。元々商品がほしかった人にとっては、データ容量が実質無料になるのに近いと言えるでしょう。 ■ サブ回線としての使い勝手やおトク度はどうか? 鍵になりそうなpovo shop 1カ月合計1GBまで無料と聞くと、かつて楽天モバイルが展開していた「UN-LIMIT VI」を思い浮かべる向きもあるでしょう。筆者も、あの料金プランが頭によぎりました。サブ回線として時々使うにはピッタリのデータ容量で、「セカンドSIM」を狙いとしているKDDI側の思惑もここにありそうです。ただし、1カ月1GBと1回100MBでは、使い勝手が少々異なります。 povo Data Oasisで付与されるデータ容量には、24時間という制限があるからです。実際には、24時間ではなく、データ付与の翌日いっぱいまで利用できるため、日付が回ってすぐにチャージすれば期限は約2日間ということになります。概算ですが、1日あたり50MBまで使用量を抑えれば20日間は無料になる形です。とは言え、1カ月は約30日。うるう年ではない2月でも、8日間はデータ容量が切れた状態になってしまいます。 サブ回線として使うのであれば、必要な時に100MBずつ入手すればよさそうですが、1日にまとめて500MB使うといったこともできません。この点は、1カ月単位で1GBまで無料で使えたかつての楽天モバイルとの違いと言えそうです。ただし、先に挙げたように、povo shopで実質無料のデータ容量を入手することは可能。スポット的に数百MB使うというのでなければ、コラボトッピングで間を埋めることで、1カ月間、丸々データ通信に料金を払わない運用スタイルも可能になります。 筆者が試しに購入した「からあげクン」のコラボトッピングも、期限はpovo Data Oasisと同じで翌日いっぱいまで利用ができます。これを最大限活用すると、5回で10日間ぶんのデータ容量を入手できることに。povo Data Oasisと合わせれば、30日の月で丸々1カ月ぶんになります。「からあげクン」なり「プレミアムロールケーキ」なりを合計5回食べればいいだけなので、そのハードルは低いと言えるでしょう。 もっとも、これは筆者が元々「からあげクン」をかなりの頻度で購入していたからこそ成り立つロジック。コラボトッピングに好きな商品がないと難しいかもしれません。その意味では、好きな商品を購入できるお買物券が、ユーザーを選ばないトッピングと言えそうです。一方で、このコラボトッピングはずっと続くわけではなく、ラインナップを変えたり、追加したりすることもあるといいます。 例えば、プチエクレアとプレミアムロールケーキのトッピングは11月30日まで。お買物券も、終了日未定ながらいつかは終わることが示唆されています。povo shopで、ユーザーに響くラインナップをどこまで追加できるかによって、サブ回線としての価値も変わってくると言えるでしょう。povoをおトクに使うには、このラインナップを定期的にチェックしておくことも重要になりそうです。
ケータイ Watch,石野 純也