ヘッジファンド、ハイテク株を「積極的に」売り-ゴールドマン
(ブルームバーグ): 半導体メーカーのエヌビディアが一時世界最大の企業となった今月、ヘッジファンドはハイテク株をかつてないほど「積極的に」売っていると、ゴールドマン・サックス・グループが指摘した。
ゴールドマンのプライムブローカー部門のデータによると、今月の米ハイテクセクターの売り越しは、データのある2017年以降で最大となる勢いだ。ヘッジファンドが最も大きく売り越したのは半導体と半導体製造装置株で、ソフトウエアとインターネット株がそれに続いた。
エヌビディア株は先週後半に4300億ドル(約69兆円)の時価総額を失った後、不安定な動きとなっている。エヌビディア、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズ、アップルの上昇が今年のS&P500種株価指数の15%上昇の半分以上を占めたが、6月はそうしたビッグテック株にとって不安定な月となった。
ヘッジファンドによるエクスポージャー削減は、先週ハイテク関連ファンドに記録的な資金流入が見られたのとは対照的だ。ハイテク銘柄の多いナスダック100指数は18日に過去最高を更新。S&P500種に占めるハイテクセクターの比率は先週33%に達し、過去約24年間で最高となった。
今年エヌビディアなどを史上最高値に押し上げたモメンタム投資も失速しつつある。ゴールドマンのデータによると、ヘッジファンドのモメンタム投資エクスクポージャーは6カ月ぶりに減少に転じた。「集中」と「混雑」のファクターをロングにするポジションも顕著な減少を示し、今年最低の水準にある。ロングショート戦略ファンドの運用者が、好調なリターンの後これらのファクターの下落の可能性をより意識するようになったことが示唆される。
リスク解消はハイテク株だけを直撃しているわけではない。ヘッジファンドは現在、通常よりもディフェンシブ姿勢に傾き、リスク選好度を示すグロスレバレッジは低下している。6月に最も大きな売り越しとなっている地域は北米と欧州。