没後30年・アイルトン・セナは今も若者を惹きつける。【大矢アキオの連載コラム第53回】
アイルトン・セナは僕たちの永遠のヒーローだ。イタリア・シエナ在住の人気コラムニスト、大矢アキオ ロレンツォの連載企画の第53回は、没後30年を記念しトリノ自動車博物館で開催中の特別展「アイルトン・セナ・フォーエバー」に注目。 【動画と写真】アイルトン・セナがドライブした歴代マシンを見る!(全14枚)
コミックまであった
2024年はF1ドライバー、アイルトン・セナ(本名アイルトン・セナ・ダ・シルヴァ。1960年-1994年)の没後30年にあたる。それを記念して、イタリアのトリノ自動車博物館では特別展が企画された。 タイトルは「アイルトン・セナ・フォーエバー」。展示室には彼のドライバー人生の第一歩であった1978年のカートから、フォーミュラ・フォード、F3、そして最後に操縦したウィリアムズ・ルノーF1まで、ゆかりの車両十数台が集められた(時期によって一部展示替えあり)。また、ヘルメットやレーシングスーツなどウェア類もディスプレイされた。 監修はイタリアを代表する自動車誌「クアトロルオーテ」の元編集長で、生前のセナと親しかったカルロ・カヴィッキが担当。セナの姪で、チャリティ団体やセナの商標管理会社を運営するビアンカ・セナも協力者に名を連ねた。さらにセナの公式フォトグラファーであったアンジェロ・オルシは写真を提供。企画としては、完璧な布陣である。 セナの生涯はすでに多く語られているので、ここでは繰り返さない。いっぽうで彼の故郷ブラジルにおける高い知名度を伝える展示物は「セニーニャ」だ。これはセナをモデルにした1990年代のコミック雑誌のキャラクターで、Tシャツといった関連商品も作られた。 当時の人気を証言してくれたのは来館者で、セナと同じブラジル出身のパオロ・ロジェーリオさんだ。1981年生まれの彼は少年時代、故郷で人々とともにセナに熱狂した。「今もアイルトンはブラジルで、子どもからお年寄りまで、全世代にとってヒーローです」と熱く話す。 美術教師の資格をもつ彼の左腕にはモナ・リザが、いっぽうの右腕にはセナの公式ロゴが彫られている。本人の語りは動画をご覧いただきたい。