【耳鼻科医監修】めまい・吐き気の原因は? めまいの診療内容や流れについて解説
めまいと吐き気はどんな時に起こるの?
編集部: よくめまいと吐き気は同時に起こると聞きますが、それはなぜですか? 岩崎先生: めまいが起こることで自律神経が作用して、吐き気・嘔吐が起こります。例えるのであれば、船酔いやバス酔いのような乗り物酔いと同じ感覚です。 編集部: 吐き気だけでなくめまいとほかの症状が同時に起こることもありますか? 岩崎先生: そうですね。比較的多くみられるのは、めまいと耳鳴り、耳閉感(耳が詰まった感じ)などの症状を伴うケースです。 編集部: めまいと耳鳴りが同時に起こった時は、どのような状態が考えられますか? 岩崎先生: めまいと耳鳴りなどの症状が同時に起こる時は、内耳の異常が考えられます。めまいに加え、耳鳴り・耳が詰まった感じ・聞こえないという症状が突然に起こった方は、突発性難聴の可能性があります。 突発性難聴は、早期に治療を始めると回復しやすいのですが、遅れるとその状態で固定する確率が高くなりますので、ぜひ早めに受診してください。
めまい診療ではどんな検査をするの? 専門医解説
編集部: めまいといっても、体で起こっていることはさまざまなのですね。 岩崎先生: はい。めまいの診療には、多角的な問診や検査が必要です。 例えば当院では、めまいの起きた時期や状況などの問診に加え、「足踏み検査」や「赤外線CCDによる眼振検査」、「重心動揺検査」「眼球運動検査」「聞こえの検査」「ビデオヘッドインパルス検査(vHIT)」などを行い、めまいの原因解明を目指します。 さらに、必要に応じて、その方の個人的な環境因子を伺うこともあります。 編集部: 例えばどんなことですか? 岩崎先生: 一見めまいとは無関係に思われるほかの疾患の有無や、日常生活の生活習慣・背景・姿勢、運動する頻度やお仕事の状況、考え方の習慣などです。 これらの因子は、自分では気が付かないうちに体になんらかのストレスを与え、めまいという形で表出されていることがあるからです。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 岩崎先生: めまいに悩んでいる方はもちろんですが、「めまいかどうか分からない」と感じている方もぜひ、本当にめまいなのかどうかも含めて検査・相談ください。まずは「めまい相談医」がいることを知っていたき、1人で悩んで放置せず、一度相談いただくことをおすすめします。