ウェスティングハウスの抗議、尹大統領訪問間近…韓国政府のチェコ原発問題解決策は
知的財産権を主張するウェスティングハウスと「設備供給で協力の余地」
韓国政府は、チェコへの原発輸出の障害物として浮上した米ウェスティングハウスとの知的財産権での対立を解決するために、アラブ首長国連邦(UAE)のバラカ原発を受注した際と同様に、ウェスティングハウスと「設備供給などで協力する余地」があると明らかにした。今月の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領のチェコ訪問を控えて、一部の部品や設備をウェスティングハウスから購入する方式で対立を解決する案を公式に提示したということだ。 5日、最大野党「共に民主党」のシン・ヨンデ議員が産業通商資源部(産業部)から得た答弁書によると、「ウェスティングハウス対応過程および法的紛争に関する現況資料等」に対する要請に、産業部は「現在の韓国電力・韓国水力原子力とウェスティングハウス間の知的財産権については立場の違いがあるが、アラブ首長国連邦(UAE)のバラカ原発の事例のように、設備供給などで協力する余地もある」と明らかにした。韓国水力原子力(韓水原)は7月、チェコのドコバニ地域に1000メガワット級の新規大型原発2基を建設する事業の優先交渉対象者に選ばれた。しかし、来年3月の本契約締結を控え、源泉技術を保有するウェスティングハウスが「知的財産権侵害」だとして、既存の米国の地裁に続き、最近になりチェコの反独占規制機関にも法的対応と陳情を提起し、対立が深まっている状態だ。尹大統領は今月中に4大グループのオーナーらとともにチェコを訪問する予定だ。 この渦中に政府が対立を解決する案として、韓水原がウェスティングハウスから「設備の供給を受ける案」に言及したのだ。これに先立ち2009年、バラカ原発の輸出の際に主契約者だった韓国電力は、知的財産権侵害を問題にしたウェスティングハウスと、原子炉冷却材ポンプやタービンなどの主要な部品を供給する方式で合意に至ったことがある。原発業界では、バラカ原発プロジェクトの予算規模の186億ドル(約2兆7000億円)のうち20億ドル(約2900億円)前後の機材・資材費用がウェスティングハウスに支払われたと予想している。 韓国がチェコに輸出する原発のモデルである「APR-1000」の知的財産権について、韓国とウェスティングハウスの意見は対立している。ウェスティングハウスは、自社技術を基盤としているためAPR-1000の知的財産権は自社にあると主張するが、韓水原は当原発の設計の重要コード、冷却材ポンプ、原発計測制御システムなどの3大核心技術をすべて国産化したとして、輸出には問題ないとする立場だ。ただし、ウェスティングハウスの知的財産権の主張について、韓水原と政府側は「問題が生じないよう交渉する」と述べるにとどめた。 同日、国会答弁書について産業部は「両国の企業が法的紛争の代わりに様々な分野での協力を通じて、相互にウィン・ウィンとなる余地もあるという原則的な回答だった」としたうえで、「チェコの原発の細部の設備供給案は、韓水原とチェコの発注側との間の最終契約が行われた後に決める事案であり、現時点では決まっていない」と付け加えて立場を明らかにした。 一方、チェコの反独占規制機関は、ウェスティングハウスが先月27日にAPR-1000の知的財産権が自社にあるとして提起した陳情について3日(現地時間)、公式の行政手続(調査)に着手したことを明らかにした。 オク・キウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )