【新NISA】高配当株の選び方…配当利回り・増配・配当性向の選別基準は?「会社四季報」読み方解説付き
■ 「配当利回り」の高さだけで飛びついてはいけない 配当利回りは、株価に対して年間でどのくらい配当金を受け取れるかを示す指標です。 「年間予想配当金÷株価×100」という式で算出できます。 2024年6月25日時点の東証プライム全銘柄の平均予想配当利回りは2.26%で、平均株価は2295円となっています。これをもとにすると、東証プライムの1株当たりの配当金は59円。つまり、一般的に取引される単位である100株を買うと平均で22万9500円かかり、配当金は5900円もらえることになります。 とはいえ、配当金はすべての企業が出していません。配当金は企業の業績によって増減される傾向にあるため、配当金額が上がり続けている企業は業績も好調と見られ、投資に向いている銘柄といえます。 「配当利回りがいくら以上だと高配当株」という明確な基準はありませんが、3%を超えてくると高配当といわれます。 ただし、利回りの高さだけで飛びつくのはNGです。 配当利回りの計算式は「年間予想配当金÷株価×100」でした。つまり、株価が下がって配当利回りが高くなっている、不人気な銘柄や業績の悪化した銘柄が入っている可能性があるということです。 配当利回りだけ見て飛びつくと資産を減らす可能性が高くなります。業績は好調なのか、財務は健全なのかの確認は必須です。
■ 優良の高配当株をサクッと選ぶ3つのポイント 日本の株式市場には約4000社が上場しています。 その中から、配当利回りが高く、安定した配当を“継続的”に出せる優良な高配当株を選びたいのですが、あまり時間をかけたくない方は次の3つのチェックポイントがおすすめです。 (1) 配当利回りは「2%以上」で検索 配当利回りが3%を超えると「高配当株」と呼ばれるという話をしましたが、「3%以上」を条件に検索すると、3%に近い“優良”の銘柄が見つけられなくなってしまいます。高配当銘柄を欲しい人が集まると株価が高くなり、その結果配当利回りが低くなる仕組みですから、スクリーニングタイミングによっては、優良銘柄を見逃すことになります。 まずは「2%以上」で検索し、そのなかから優良銘柄を探しましょう。 配当利回りはあくまで最初のフィルターとして使い、他のポイントを確認しましょう。 (2)「連続増配」「現状維持」がGood! 「減配」はNG 増配とは、1株当たりの配当金が前年より増えること。配当金は、業績がよければ増え、悪ければ減ります。必ずしも、増配しているから業績が良いということではありませんが、少なくとも毎年増配している銘柄は、企業の業績が右肩上がりで成長している可能性が高いと言うことはできます。 また、増配はしていなくても減配もせず、高い配当金を維持している銘柄は、安定した経営が続いているといえます。 (3) 配当性向は30~50%が目安 会社の最終的な利益である純利益のうち、どの程度の割合で配当金が分配されたのかを示した指標が「配当性向」です。株主に出す配当金の総額を当期純利益で割って算出できます。 例えば配当性向が30%だった場合、純利益の30%が配当金として株主に配分されているということです。配当性向が低いと配当に回される資金が少なく、もらえる配当金が少なくなるわけですが、そうした企業は将来を見越して剰余金を貯めている可能性があります。 一方で、配当性向が80%を超える水準になるなど、高過ぎる場合、会社の成長にお金を回すよりも、利益の多くを配当金に回していることになり、企業の持続性や将来性に不安が残ります。配当性向は業界によって平均値に差がありますが、おおむね30~50%くらいを目安にしておくとよいでしょう。