昨年“室内で熱中症”になった人が「約4割」…気をつけたい“夏の室内温度”について解説
手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災 FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。今回の放送では「夏の停電への備え」について取り上げました。
総務省の発表によると、2023年5月~9月に熱中症で救急搬送された人は9万1,467人いました。発生場所別でみてみると「室内」が最も多く39.9%を占めています。災害級と言われている最近の暑さでは、直射日光の当たらない屋内にいても熱中症にならないための対策が必要です。 夏の室内温度は、環境への配慮や外気温との差が大きくなりすぎると体の負担になってしまいます。室内温度は28度が目安とされていますが、28度以下であれば暑さ対策をしなくても大丈夫というわけではなく、風の有無や湿度の高さも熱中症のリスクに左右します。 ここで参考にしてもらいたいのが“暑さ指数(WBGT)”です。これは、気温だけでなく、湿度や日射・輻射など周辺の熱環境も取り入れた熱中症を予防するための指標です。全国の暑さ指数は、環境省の「熱中症予防情報サイト」で確認できます。 また、夏は「停電」が発生しやすい季節です。台風による暴風や大雨による土砂災害、気温の上昇とともに大気の状態が不安定になって発生する落雷などの気象現象のほか、猛暑による電力需給の急増によって停電が発生する可能性もあります。 特に台風による停電は、大雨や暴風が電柱の破損、倒壊を引き起こす可能性もあり、停電が長期化するケースも少なくありません。停電するとエアコンが使用できなくなり、熱中症のリスクが高まります。 夏に停電したときの対策として、水分を確保することは第一ですが、体の熱を冷ますことも大切です。冷蔵庫に保冷剤や氷がある場合は、タオルなどに巻いて太い血管がある首に当て、保冷バックがあれば、冷蔵庫や冷凍庫のものをそのなかに入れて保管しましょう。保冷剤がない場合は、タオルを水で濡らして首に巻きましょう。体を濡らすと、その水分が蒸発するときに体の熱を下げてくれます。 ほかにも、水風呂に入ったり、車のエアコンで体を冷やすのも良いでしょう。なお、夏に停電すると、車を使用する人が増えてガソリンスタンドがいっぱいになることがあります。緊急時に慌てて給油しないためにも、ガソリンが3分の2程度になったら給油する習慣を身に付けましょう。 夏の停電に備えて用意しておきたい防災グッズとして、水、塩タブレット、経口補水液、保冷剤、冷却タオル、小型扇風機、保冷バックが挙げられます。そのほか、通年で持っておきたいモバイルバッテリーやポータブル電源があると、いざというときに役に立ちます。ポータブル電源は、電力量が1,000ワット以上あるものを備えておくと、冷蔵庫や扇風機などいろいろな家電を使うことができます。 夏の停電で命を守ることができるかどうかは“事前の備え”にかかっていますので、早めに準備しておきましょう。 (TOKYO FM「防災 FRONT LINE」放送より)