防災分野は備蓄資材増強 トイレや簡易ベッド 部門補正予算額倍増へ調整 政府経済対策
政府が22日に閣議決定した経済対策では、石破茂政権が目玉政策に掲げる防災対策の強化についても盛り込んだ。能登半島地震での支援物資不足を踏まえ、避難所の環境改善へ向け、トイレや簡易ベッドなどの備蓄資材を大幅増強する。内閣府防災部門の今年度補正予算について昨年度補正予算額42・4億円からの倍増を目指して調整する。 【一覧でみる】総合経済対策の主な内容 経済対策では3本柱の一つ「国民の安全・安心の確保」の中で防災・減災を上位施策に位置付け、「避難所環境の抜本的改善に取り組む」として力点を置く。 能登半島地震ではトイレ不足による衛生環境の悪化が深刻化した。そこで地方創生関連の交付金に新たな枠組みを創設し、都道府県や市区町村の備蓄増強を支援。避難所生活の質の向上に不可欠なトイレ、パーテイションや簡易ベッドなどの備蓄数を底上げする。 被災地への迅速な物資調達のため、東京都内1カ所だった国の備蓄拠点を全国計7カ所へ分散させる。各自治体の備蓄状況も含め、既存の物資輸送システムへの登録を進めて一元管理できるようにする。来年度予算の概算要求に盛り込まれていたが前倒しした。 行政だけでなく、民間のキッチンカー、トレーラーハウス、トイレカーなどを活用できるよう登録制度を創設。ボランティア団体などとの官民連携の仕組みを整える。 石破政権は令和8年度中に災害対応の司令塔となる「防災庁」の発足を準備しており、今年度補正予算でも人員面での強化を検討している。内閣府幹部は「物を増やすだけでなく、どう使うかも重要だ」として運用面の整備も進める方針だ。