新紙幣20年ぶりに発行 長野県内300億円分払い出し
20年ぶりとなる新紙幣の発行が3日、全国一斉に始まった。描かれた人物肖像などデザインを一新し、最新の偽造防止技術を導入している。家庭や企業には金融機関を通じて徐々に行き渡る。長野県中信地域でも初日から取り扱いを始める金融機関があり、いち早く新紙幣を手にしようと多くの人が訪れていた。 新紙幣の登場は平成16(2004)年以来となる。表面に1万円札は渋沢栄一、5千円札は津田梅子、千円札は北里柴三郎と、新たな人物肖像が描かれている。ユニバーサルデザインの一環として、現行の紙幣よりも額面の数字を大きくデザインした。最新の偽造防止技術を導入しており、傾けると肖像の向きが変わる3Dホログラムの採用は世界初だ。 日本銀行は3日、全国で1兆6000億円分、県内では松本市の日銀松本支店を通じて300億円分の新紙幣を金融機関に払い出した。4日に取り扱いを開始する金融機関の営業店が多い。当面は流通量に限りがあるため、両替などの枚数に上限を設けるところもある。 3日に会見した日銀松本支店の早川朋宏発券課長は、旧紙幣も引き続き利用できることと、新紙幣に関係する詐欺への注意を呼び掛けつつ、「キャッシュレス化が進んでいるが、現金の需要がある限り、責任を持って紙幣を供給していきたい」と述べた。
市民タイムス