活躍の場は関西から海外へ、JR車両、元「はまかぜ」。現地へ会いに行くツアーも登場
「関西で活躍していた、元JR・キハ181系に乗りに行こう」。こんなツアー旅行が日本旅行から先日発表されました。キハ181系と言えば、関西の鉄道ファンには特急「はまかぜ」としておなじみの車両。 2011年に引退し、現在は津山駅構内にある扇形庫で1両が保存されているほか、名古屋にあるリニア・鉄道館でも1両が展示されています。が、現在残っているのはこの2両だけのはず。「乗りに行く」とは一体・・・?
JR西日本で廃車後に海外の国鉄で特急列車に
実は、キハ181系はJR西日本で廃車となった後、15両が海を渡り、ミャンマー国鉄へと譲渡されたのです。現地では、首都ヤンゴンと南東部の観光地を結ぶ特急列車として走っていて、今回のツアーはこの列車に乗りに行くというもの。 キハ181系ならではの、あの力強いエンジン音と独特の乗り心地が再び味わえるという、ファンにとっては感涙モノのツアーです。 ミャンマーにはこのキハ181系以外にも、JR北海道・JR東日本・JR四国や三陸鉄道・のと鉄道・名古屋鉄道・松浦鉄道など、日本国内の様々な鉄道会社で廃車となったディーゼルカーが「移住」し、活躍しています。 多くの車両は現地でオリジナル塗装に塗りかえられていますが、JR北海道やJR四国の車両はその一部が日本時代の塗装のまま走っていて、中には行先幕が「徳島」と表示されている車両も。
現地の国鉄協力のもと、写真撮影のほか車庫内の見学
近年まで軍政が続いていたミャンマーでは、現在も鉄道関連施設での写真撮影には許可が必要となっています。今回のツアーではミャンマー国鉄協力のもと、写真撮影のほか車庫内の見学、ヤンゴン市内環状線の乗車も予定されているなど、なんとも贅沢な内容です。 ミャンマーで第二の「車生」を送る日本の鉄道車両たちに、会いに行ってみませんか? (文/伊原薫/鉄道ライター) ■伊原薫(いはら・かおる) 大阪府生まれ。京都大学大学院・都市交通政策技術者。(一社)交通環境整備ネットワーク会員。グッズ制作やイベント企画から物書き・監修などに取り組む。都市交通政策や鉄道と地域の活性化にも携わっている。好きなものは103系、キハ30、和田岬線、北千住駅の発車メロディ。