日本での成功を生んだ、外国名画の「絶妙な邦題」、「ランボー」の原題は直訳すると「最初の血」
■邦題への変更が功を奏した多くのヒット作 その他にも、この邦題に変更したからこそ成功した(原題のままだった場合、ヒットしなかったのでは……)と個人的に思う映画を何作品か挙げておきます。 「Bonnie and Clyde」(ボニー&クライド/1967)→「俺たちに明日はない」 「Dawn of the Dead」(ドーン・オブ・ザ・デッド/1978)→「ゾンビ」 「The Thing」(ザ・シング/1982)→「遊星からの物体X」
「An Officer and a Gentleman」(アン・オフィサー・アンド・ア・ジェントルマン/1982)→「愛と青春の旅だち」 「Sister Act」(シスター・アクト/1992)→「天使にラブ・ソングを…」 「Almost Famous」(オールモスト・フェイマス/2000)→「あの頃ペニー・レインと」 「Crust」(クラスト/2002)→「えびボクサー」 「The Italian Job」(ザ・イタリアン・ジョブ/2003)→「ミニミニ大作戦」
「The Notebook」(ザ・ノートブック/2004)→「きみに読む物語」 「Whiplash」(ウィップラッシュ/2014)→「セッション」 シルヴェスター・スタローン主演「ランボー」(1982)の原題は「First Blood」(ファースト・ブラッド)で、直訳すると「最初の血」です。 流血が多いボクシングの試合では、「draw first blood(ドロウ・ファースト・ブラッド)」(最初の血を招く=先制する)という用語があります。クライマックスでランボーが大佐に対し、「誰が警察に先に仕掛けたんだ!」と怒りをぶつけるシーンがありますが、この場面にインスパイアされて「ファースト・ブラッド」というタイトルがつけられたという説があります。
「ランボー」シリーズ2作目の邦題は「ランボー/怒りの脱出」(1985)ですが、原題は「Rambo: First Blood Part II」(ランボー・ファースト・ブラッド パート2)となっています。 ほかにも邦題で印象に残っているのが007シリーズ2作目のショーン・コネリー主演「007/危機一発」(1963)です。 同作品の原題は「From Russia with Love」(フロム・ロシア・ウィズ・ラブ)ですが、「危機一髪」の「髪」を、意図的に銃弾をイメージさせる「発」と誤字を使った邦題でヒットさせたのは、当時、日本ユナイテッド・アーチスツ映画会社(通称:ユナイト映画)の宣伝部に在籍していた故・水野晴郎氏(その後、1972年のリバイバル上映時には「007/ロシアより愛をこめて」に改題)。