電撃復帰した柳田悠岐は第１打席でヒットを放ち球場を沸かせた

　ソフトバンクは30日のオリックス戦（みずほペイペイ）に1―0で競り勝ち、貯金を今季最多タイの「39」とした。約4か月ぶりに一軍復帰を果たした柳田悠岐外野手（35）が「2番・DH」で先発出場。復帰後の初打席で安打を放つ存在感を見せつけた。 　小久保監督は試合後「スタメンに（柳田の）名前があるだけで変わる」と穏やかな笑みを浮かべた。当初は10月中旬に始まるCSファイナルステージからの復帰と目されたが、電撃的な一軍復帰。戦力的に大きいことはもちろんだが、球団が頭を悩ませる「ある問題」を解決しそうだ。 　ホークスは135試合目となる23日のオリックス戦で4年ぶりのリーグ制覇を達成。開幕前に掲げた目標を成し遂げた一方で、球団が考えなければならなかったのが「消化試合の集客」だ。優勝が決まった時点で残り8試合。そのうち、ホーム6試合でいかにファンに球場に足を運んでもらうかが課題だった。当然、優勝が決まるまでは歓喜の瞬間を見届けようと鷹党が押し寄せるが、優勝後はそうもいかない。これが球団の事業、マーケティングに携わる社員たちの懸案となっていた。 　そんな中で思いがけない救世主となったのが柳田だ。球団関係者は「まさか今日から戻ってくるとは思わなかった」と驚きながらも、その声は弾んでいた。何といっても柳田は〝ファンを呼べる〟プレーヤー。球場に足を運び、その目で見たいと思えるだけの魅力がある。 　V決定前の本拠地ではおおむね4万人前後の集客。この日は3万4132人だったが、それでも健闘と見る向きが強い。1日はドラ1ルーキー・前田悠がプロ初登板する予定。柳田が復帰したことも重なり、チケットの売れ行きも上々だという。背番号9の帰還は二重の意味で頼もしさを増している。