すでにヒットも「虎に翼」の後半戦がますます面白くなる根拠 これから“見どころ”になっていくキャラは?
■「骨太な成功物語」から「感動の人情劇」へ また、27日放送の第64話でラジオ出演した寅子が、「ただ私はご婦人方をかよわいとは思っておりません。裁判所を訪れるご婦人は世の中の不条理なこと、つらいこと、悲しいことと戦ってきた、戦おうとしてきた、戦いたかった方たちです」「法律が変わり、家庭裁判所ができてやっと戦うことができる。報われることができる。誰かの犠牲にならずに済むようになった」「私は女性たちが自ら自分の幸せをつかみ取ってほしいと思っていますし、そのお手伝いができたらなと常々思っております」と熱っぽく語るシーンがありました。
特にこの週では、母として家族の問題に悩む盟友の大庭梅子(平岩紙)と、友人で義姉の花江(森田望智)のエピソードが描かれてきただけに、この語りは寄り添うような優しさを感じさせるとともに、今後の物語を暗示しているように見えました。 とりわけ今後は、明律大学女子法科の仲間である山田よね(土居志央梨)、崔香淑(ハ・ヨンス)、桜川涼子(桜井ユキ)らのエピソードは見どころの1つになるでしょう。もちろんその他でも、寅子が女性の人生をサポートしていくエピソードがはさまれることになりそうです。
あらためて振り返ると、前半戦で描かれてきた「困難を打ち破って女性初の弁護士、裁判官になる」というパイオニアとしてのサクセスストーリーは見応えがある一方、朝ドラとしては「骨太で堅い」という印象を持つ人も見られました。 どちらかというと朝ドラというより大河ドラマに近いシビアな世界観の物語でしたが、後半戦は寅子を通して少年少女や女性の人生にもスポットを当てる朝ドラらしい人情劇が描かれていくのではないでしょうか。
前半戦は当時の事情をベースにしていたとはいえ、男性を一方的に悪のように描かざるをえなかったところがあって、必ずしも男性層の評判は高くありませんでした。しかし後半戦が前述したように朝ドラらしい人情劇になれば、男性層の支持も得られそうなムードが漂いはじめています。 ■セカンドヒロイン・花江への支持 一方、寅子自身のエピソードとしては、子育ての苦闘が描かれるでしょう。ここまで娘・優未の子育ては、母・はる、義姉・花江、弟・直明(三山凌輝)など家族のサポートが受けられましたが、今後は激務や新潟への転勤、さらに反抗期などの困難が予想されるだけに波乱必至です。