資金流入額上位に国内株ファンドが大量ランクイン、パフォーマンス上位はアクティブが席巻=DC専用ファンド(2024年4月)
「One DC米国株式(S&P500)インデックスファンド」は2022年12月29日設定の比較的新しいファンドだ。米株インデックス「S&P500」を対象とした積立投資は、まず公募投信市場で大きな人気になった。代表的な公募インデックスファンドの「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は既に純資産残高が4兆4000億円を超える巨大ファンドだが、2022年12月末時点でも1兆5000億円を超えるファンドとして人気があった。DC市場では外国株式に投資するインデックスファンドとしては、伝統的に「MSCIコクサイ」に連動するファンドが使われてきた。先進国株式を投資対象とした代表的なインデックスで、「野村 外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(確定拠出年金向け)」などは、まさに「MSCIコクサイ」に連動するインデックスファンドだ。
ただ、ここ10年くらいは、世界の株式市場において米国株式の上昇が目立っていた。実際に、直近のパフォーマンスを振り返ると、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の過去5年間の年率トータルリターンは21.28%で、同じ期間の「野村 外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(確定拠出年金向け)」の19.17%を上回っている。過去3年(22.04%対19.91%)、過去1年(46.58%対41.62%)と、いずれの期間をとっても米「S&P500」の成績が上回る。パフォーマンス重視の考え方では、米「S&P500」の方が選好されるだろう。
DC専用ファンドでの米S&P500インデックスファンドの提供も進んでいる。4月の資金流入額ランキングでもトップ10には入らなかったが、第12位に「DC米国株式インデックス・オープン(S&P500)」、第15位に「iシェアーズ 米国株式(S&P500)インデックス(DC)」、第21位に「野村 米国株式S&P500インデックス(DC向け)」などが続いている。今後、DC市場で「S&P500」人気が、どこまで盛り上がるのか注目したい。今年に入ってからは、日本(日経平均株価)、ドイツ(DAX)、英国(FTSE100)など米国以外の先進国株式インデックスも史上最高値を更新し、先進国株式は全般に好調が続いているだけに、あえて、投資先を1カ国だけに絞るリスクを取るかどうかは、投資家個々の判断によるところだろう。