堤真一さん、山田裕貴さん主演で「木の上の軍隊」映画化 井上ひさしさん原案、伊江島を舞台に沖縄戦描く 県出身・平監督 来年公開
伊江島のガジュマルの木の上で、終戦を知らずに生き抜いた日本兵2人の実話を基にした井上ひさしさん原案の舞台「木の上の軍隊」が、映画化される。 【コメント全文】主演の堤真一さん、山田裕貴さん、沖縄出身・平一紘監督
沖縄戦から80年となる来年6月13日に沖縄先行公開、7月に全国公開される。監督と脚本は県出身の平一紘監督、主演は俳優の堤真一さんと山田裕貴さんが務める。 原作「木の上の軍隊」は、作家の井上さんが生前、やりたいこととして記していた作品。没後の2013年、残されたメモを基に舞台化され、19年にはこまつ座公演として沖縄で上演された。 宮崎から派兵された上官と地元出身の新兵が、敵の銃撃に追い詰められてガジュマルの木の上に登り、終戦を知らぬまま2年間過ごす。撮影は全て県内で、木の上のシーンは伊江島でガジュマルの木の上で撮影した。 上官を演じた堤さんは「戦争によって変わっていく人間の価値観や、今の時代にも通じる世代間のギャップなどいろいろなことが描かれている。僕自身知らなかったことが多く、映画を通して学んでいる。世界中で見てほしい」と話した。新兵を演じた山田さんは「戦争の悲惨さがしっかり映し出されている。作品を伝える役目をもらえてうれしい」と語った。
戦争体験者などへの取材を重ねてきた平監督は「あらゆる角度で取材し戦争を見つめたとき、見せたい景色が見えてきた。本当に起きたことの恐ろしさと、素晴らしさをご覧いただきたい」と呼びかけた。 (田吹遥子)
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