【PSO】『ファンタシースターオンライン』が発売された日。知らない人との冒険に誰もが心躍らせた。日本のオンラインRPG黎明期における傑作【今日は何の日?】
※本記事は、2023年12月21日にアップした記事を再編集したものです。 23時、惑星ラグオルでの冒険が始まる 【記事の画像(4枚)を見る】 いまから24年前の2000年(平成12年)12月21日は、ドリームキャスト用ソフト『ファンタシースターオンライン』が発売された日。 『ファンタシースターオンライン』(Phantasy Star Online)は、セガから発売されたオンライン対応のRPG。もともとはセガ初のRPGとして登場した『ファンタシースター』シリーズの中の1作なのだが、現在はオンラインゲーム(ネットワークゲーム)としてゲームファンに浸透しているため、『PSO』シリーズの初代作品と言ったほうがわかりやすいかもしれない。 家庭用ゲーム機におけるオンラインゲームの草分け的存在としてゲーム史に名を残す作品でもあるので、多くのユーザーが本作で初めてオンラインゲームの楽しさに触れ、そしてどっぷりとハマっていったのではないだろうか。かく言う筆者も当時は寝食を忘れるくらい夢中になって遊んだ覚えがある。『PSO』を通じて知り合ったネット上の友人たちと、いまだに顔も知らないまま交流があるのだから人生における影響力も凄まじいものがあった。 『PSO』と聞いて真っ先に思い浮かんでしまうのが“テレホーダイ”。ゲームのことじゃないので恐縮だが、当時の一般的なネットワーク環境はダイヤルアップ接続が当たり前で常時接続なんて夢のまた夢。要するにオンラインゲームで遊ぶあいだはずっと電話の通話中となり、通話料がかさんでしまったのだから恐ろしい。実際、あまりの請求額にへこんでいた編集者もいた。 テレホーダイは23時から翌朝8時までならいくらでも通話し放題になる月額サービスだったので、このテレホタイムを利用して可能な限り『PSO』を遊び倒したというわけだ。ゆえに夜ふかしになりがちでオンラインプレイヤーのほとんどが寝不足気味だったんじゃなかろうか。しかしながら23時直前のもどかしくもワクワクする感じはもう味わえないので、いまとなっては大切な思い出とも言える。 当時はネットワークを通じてのマルチプレイがとにかく新鮮だった。大勢が参加する対戦プレイが流行中の昨今でそんなことを感じる人は少ないと思うが、あのころはホントに知らない人たちと行動をともにするだけでドキドキだったのだ。だからこそ何度もくり返し冒険に出向いたし、ロビーで何人も集まって朝までおしゃべりチャットに興じたこともあった。 自由にクラスチェンジできるゲームではなかったので、何体もキャラクターを育成して遊んでいた人も少なくなかった。筆者は男性型アンドロイドのヒューキャストから始めたものの、ほかのプレイヤーが操作する女性キャラがかわいくて羨ましくなり、すぐにフォニュエールやレイキャシールに乗り換えてしまった覚えがある。」 行方不明になった新世代の英雄“赤い輪のリコ”の残したメッセージを頼りに、少しずつ調査を進めていく謎めいた物語も興味深いものがあった。いま思えばけっこうシンプルだが、それがかえっていろいろな想像を膨らませておもしろかったのかもしれない。 2001年6月7日に新要素を追加した『ファンタシースターオンライン Ver2』がドリームキャストで発売。その後はPC、ゲームキューブ、Xboxとさまざまなハードに移植され、新たなファンを多数獲得していった。 シリーズ最新作は2021年6月に配信が開始された『PSO2 ニュージェネシス』。こちらは基本プレイ無料で遊べるタイトルなので未体験ならすぐチェックしてみるといいだろう。