「就職に有利だから」と高校生の息子が理系を選択しています。将来的にはよいと思いますが、大学の学費は理系のほうが高いです……。どうしてこんなに高いのでしょうか?
子どもが進学先を検討するにあたって、学費がどのくらいかかるのかは気になるポイントではないでしょうか。大学の学費は国立と私立だけでなく、文系と理系のどちらを希望するのかによって100万円単位の違いが生じる場合があります。理系を希望している場合は、学費の高さに悩む保護者もいることでしょう。 そこで本記事では、大学の学費の平均費用について解説するとともに、費用が足りない場合の対処法をまとめています。進学する大学の学費を重視する人は、ぜひチェックしてください。 ▼大学の学費は「私立・公立」でどう異なる? 公立大学は“居住地域”によっても違いがあるって本当?
大学の学費の平均費用はどのくらい?
文部科学省の「国公私立大学の授業料等の推移」によると、令和3年度の国立大学と公立大学、私立大学の入学金と授業料の平均額は図表1のとおりです。 【図表1】
※文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」をもとに筆者作成 国立大学と公立大学の学費は、「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」に準じて決まるため、基本的に文系や理系による違いはありません。 ■私立大学の理系学部にかかる学費は国公立の倍以上 私立大学は文系と理系によって学費が大きく異なり、文部科学省の「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額等調査結果について」にて図表2のように伝えています。 【図表2】
※文部科学省「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額等調査結果について」をもとに筆者作成 同調査によると、私立大学の学費は、文系学部よりも理科系・医歯系学部のほうが高額の傾向にありました。文科系学部との学費を比べると、理科系学部が33万5610円、医歯系学部は362万6863円高いという結果が出ています。
理系の学費が高い理由は「授業形態の違い」
理系の大学の学費が高い理由として挙げられるのは、「授業形態の違い」です。文系と比べて理系は実験や実習が多く、その際の材料や施設が必要です。また、安全面を考慮して複数の教員を確保するための人件費がかかります。 それに対して文系は、理系のような実験や実習が多いわけではありません。授業を行う際に教員1人で複数の学生の担当が可能です。