Bプレミアへ「奇跡の参入」 滋賀レイクス、降格も集客増の離れ業 応援企業巻き込み奏功
選手たちも参加する「びわこ一周クリーンウォーク」など社会貢献活動にも力を入れているレイクス。令和4年3月にスタートした「バスケットボール寄贈プロジェクト」はこれまでに滋賀県内全市町で実施され、小中学校に渡ったボールは3550球に及ぶ。
11月20日に大津市の小中学校に社名入りのボールを寄贈したパートナー企業、日本熱源システムの原田克彦社長は「誇りに思っているレイクスと一緒に寄付ができるのはありがたい。バスケが好きになって、レイクスに入団する子が出てきてほしい」と期待する。
■難題もクリア
Bプレミア参入には、客数、売上高に加え、もう一つの難題である「アリーナ基準」が立ちはだかった。
レイクスのホームアリーナ「滋賀ダイハツアリーナ」(大津市)は、西日本最大級のセンターハングビジョンや、どこからでもコートが見やすい八角形のスタンドなどを備える。だが、アリーナ基準では、ボックス席(スイートルーム)やVIPラウンジの設置が必須で、トイレ数も足りない。
滋賀ダイハツアリーナは滋賀県が4年12月にオープンしたばかり。新たな大改修に県費を投入するのは事実上不可能で、Bプレミアの初年度からの参入は難しいという結論が出つつあった。
それでも「やってみないと本当に無理なのか分からない」という思いから「アリーナプロジェクトチーム」が立ち上がり、民間による改修の資金的めどが立ち、県の許諾も得た。改修工事はBプレミア1シーズン目の終了後に着手し、9年秋の2シーズン目の開幕に合わせる計画だ。
B1復帰の今シーズンはこれまで1勝13敗と苦戦中だが、ホームゲーム(6試合)の集客は4300人を越えている。Bプレミアの開幕シーズンでのチャンピオンシップ進出、その2年後の優勝を目標に掲げている。さらなる高みへの有言実行に期待が集まる。(川西健士郎)
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Bリーグ・プレミア(Bプレミア) 米プロバスケットボールNBAに次ぐ「世界第2位のリーグ」を目指す新カテゴリーで、下部に「Bワン」「Bネクスト」が続く。競技成績による昇降格制度を廃止し、基準を満たせば順次参入できるエクスパンション(拡張)型へ移行する。12月にも審査を行い、初年度から参戦する全クラブが出そろう。