「年金積立金」の運用状況、知ってる?参考にしたいGPIFのポートフォリオ運用とは
公的年金「年金積立金」の運用状況は?
2024年2月2日、GPIFが公表した「2023年度第3四半期運用状況(速報)」によると、2023年度第3四半期は、+5兆7287億円で収益率は+2.62%となりました。 年金積立金の運用がスタートした2001年度から2023年度第3四半期における収益率は年率+3.99%。 2022年度は急速な円高によりマイナスとなりましたが、バランスのとれた運用で長期的にはプラスとなっています。 ●公的年金「年金積立金」の運用状況《2001年度~2023年度第3四半期》 ・運用資産額:224兆7025億円(2023年度第3四半期末現在) ・収益率:+3.99%(年率) ・収益額:+132兆4113億円(累積収益額) ・うち、利子・配当収入:+50兆5529億円 グラフを見ていていただくと運用開始直後はマイナスですが、2年経過後は値下がりの時期もあったものの複利効果もあり着実に収益を積み上げているのが分かります。 年金積立金は、現世代の人たちに支給される原資ではないため、こうして長期的視野に立った安定運用が可能となるのです。 ●公的年金「年金積立金」資産別の運用状況《2023年度第3四半期》 2023年度第3四半期における年金積立金の運用状況は以下の通りです。 資産:収益額(収益率) ・資産全体:5兆7287億円(2.62%) ・国内債券:5307億円(0.95%) ・外国債券:1兆3632億円(2.55%) ・国内株式:1兆1126億円(2.05%) ・外国株式:2兆7222億円(4.91%) 2023年第3四半期の収益は、国内債券、外国債券、国内株式、外国株式の全ての資産においてプラスとなりました。 このうち、収益アップに最も寄与したのは外国株式です。次に外国債券、僅差で国内株式が続きます。 なお、2023年第1四半期は、円安・株高によって、外国債券・国内株式・外国株式の含み益が膨らんだことにより、収益率9.49%と第3四半期の約4倍もの収益をあげています。