縄文生活、環境文化発信へ 宇宿貝塚史跡公園 24年度リニューアル 奄美市笠利町
鹿児島県奄美市は今年度、笠利町の宇宿貝塚史跡公園を、「縄文生活」と「環境文化」を発信する施設としてリニューアルする。市は「SDGs(持続可能な開発目標)の推進や観光、教育、環境の拠点施設を目指して整備を進めたい」としている。改修工事と関連業務の発注先の選定は、公募型プロポーザル方式(応募した複数企業による提案)を採用。8月1日から公募を開始する。 宇宿貝塚は、笠利町宇宿にある縄文時代から中世にかけての複合遺跡。1986年に奄美群島で初めて国史跡に指定された。 宇宿貝塚史跡公園は宇宿貝塚の真上に整備された施設で、発掘調査で発見された遺構・遺物などを埋め戻さずに露出展示している。 24年度は同公園整備事業として、▽照明の取り換えや間仕切りによる空間整備などのリニューアル▽学び、体験、交流のためのワークスペース設置▽ショーケースなど展示用備品の設置―などを行う。事業費は約1900万円。 関連で奄美版SDGs普及啓発推進業務の公募型プロポーザルを実施。具体的な業務内容は①奄美博物館サイトの宇宿貝塚史跡公園ページの改修②PR動画の作成③同施設とSDGsパンフレットの作成④宇宿貝塚や周辺施設、自然環境、地域資源などを学習できるコンテンツの作成⑤奄美らしいSDGsを親しみやすく表現する独自のアイコン(デザイン)作成―。委託上限額は780万円。 事業は内閣府「自治体SDGsモデル事業」の採択を受け、国の補助金を活用する。8月1日に公募を開始し、質問書の受け付けは15日正午まで。期間中は現地説明会も随時行う。 書類による1次審査を経て、9月中に2次審査(プレゼンテーションとヒアリング)を実施。10月中に契約締結、施設改修の設計・施工業務を開始し、24年度中の完工を目指している。 宇宿貝塚史跡公園は04年の開館から20年が経過。雨漏りなど施設の老朽化も課題で、市は今後も周辺施設を含めた整備・活用の在り方について検討を重ねる方針。