認知症の人の不安に寄り添う「5つの会話術」。うなずく、相づち、オウム返し、要約…理学療法士が教える<最重要ポイント>とは
◆本人の口から出てきた「褒め言葉」を使う 単に褒めるだけでなく、普段その人が、どうやって他人を褒めているかを観察することも大事です。人は、自分自身が言われて嬉しいと感じる言葉を、相手に対して無意識的に使うことが多いのです。 ですから、本人の口から出てきた「褒め言葉」を使って褒めてみましょう。 先日、86歳の佐藤さんがきれいな折り鶴を折ったので、私はつい短絡的に「すごいですね!」と言ってしまいました。 すると佐藤さんは、「なにもすごくないわよ」と不機嫌になり、私はすっかり嫌われてしまったのです。 そこで私は、佐藤さんがなにかを気に入ると、いつも「素敵ね」と言っているのに気づき、次に折り鶴を折ったときは、「素敵ですね」と言ってみました。 すると佐藤さんは、にっこりと笑い「あら、ありがとう。あなたにあげるわ」と言って、私に折り鶴をくれました。 ※本稿は、『ボケ、のち晴れ 認知症の人とうまいこと生きるコツ』(アスコム)の一部を再編集したものです。
川畑智,中川いさみ