「ガキ大将」の丹羽大輝と千葉和彦が1日に新潟市でサッカー教室 プロの技と笑いで盛り上げる
サッカーのスペインリーグ4部相当のアレナス・ゲチョDF丹羽大輝(38)が1日、同じ吉本興業に所属するアルビレックス新潟DF千葉和彦(39)とともに、1月の能登半島地震で被災の影響があった新潟県新潟市にある真砂小学校を訪れ、「丹羽Goal プロジェクト」の一環として、サッカー教室を開催した。 あかね色に染まる校庭に2人の大きいガキ大将と、子どもたちの元気な声が響き渡った。この日は地元サッカークラブの真砂402JSCを中心とした小1~6年の約60人が参加。真面目に進行する丹羽と、ギャグを連発する千葉の息の合ったコンビネーションでサッカー教室はスタートした。技術向上を目的としたドリル形式のメニューや、手取り足取りの指導は一切なし。横長のピッチに寄贈した小さめのゴールを四つ角に設け、給水タイムを挟みながらひたすらミニゲームを繰り返した。 同学年で、17年6月~18年7月にサンフレッチェ広島で共闘した2人は、時に大人げないドリブルやシュートを放ち汗びっしょりになった。丹羽は「ゴールがあれば勝手にサッカーは始まる。僕がスペインで見る光景。日本にもサッカー文化が根付いていって欲しい」とうなずき、千葉は「みんなが積極的にサッカーを楽しんでくれてうれしかった」と白い歯を見せた。 空き地にサッカー好きが集まり、いつの間にかゲームが始まったような雰囲気をつくり上げた2人。いいプレーがあれば「今のトラップ良かったぞ」「良く遠い位置を見ていた」と具体的に褒め、シュートが外れれば地面をたたいて悔しがる。「本気で喜んで、悔しがる。サッカーは1番そこが楽しい。プロジェクトはそこの思いも強い」と丹波。子どもたちは積極的にボールに関わり、ゴールが決まれば全身で喜びを爆発させ仲間と抱き合って喜んだ。 丹羽は9歳の誕生日を迎えた翌朝に起こった95年1月17日の阪神・淡路大震災を経験。プロ入り後、11年に発生した東日本大震災を受け、被災地に向けたサッカーボールの寄贈や校庭に芝を植える「丹羽芝プロジェクト」等の活動を継続してきた。今月下旬には4季目を迎えるスペインに戻るが、「今後も子どもたちと一緒に触れ合う機会を継続しつつ、今年からはサッカーゴールを寄贈する形に変えてサッカーの普及に微力ながら貢献したい」。 何かをキッカケにグンと伸びる育成年代。プロ選手とプレーした時間や掛けられた言葉は、子どもたちの体と記憶に刻まれたはず。「今は技術を身につけて」(丹羽)「体は大きくなるから、キックは今のうちにボールの当て感をつかんでね」(千葉)とアドバイスした2人は、空が薄暗くなるまでサインや写真撮影に応じた。【小林忠】 ◆丹羽大輝(にわ・だいき)1986年(昭61)1月16日、大阪・河内長野市生まれ。G大阪ジュニアユース堺から同ユースへ進み、04年トップ昇格。徳島、大宮、福岡、広島、東京でプレーし、21年からスペインでプレー。国際Aマッチ2試合出場。181センチ、72キロ。 ◆千葉和彦(ちば・かずひこ)1985年(昭60)6月21日、北海道・釧路郡釧路町生まれ。橋北中から三重・日生学園第二高(現青山高)に進み、オランダ経由で05年に新潟に加入。広島、名古屋でプレーし、21年に新潟へ復帰。国際Aマッチ1試合出場。183センチ、77キロ。 ■丹羽プジェクト(NGP) 全国各地で震災や災害で被害にあった地域を中心にスポーツ、サッカーを通してより豊かな人生を送れるためのキッカケ作りの活動。