指示待ち社員ばかりの現場が実践すべき「ワークアウト」とは?
組織やチームの成長、個人のキャリアを大きく左右する要素として、主体性が重要視されています。しかし、主体的な社員を育て、主体的なチームを創り、ビジネスを成功に導くためには単に社員一人ひとりに働きかければよい、というものではありません。 「管理職の罰ゲーム化」が加速する日本の職場...その原因とは? そこで年間300社を超える企業に対しビジネスコンサルティング&研修プログラムの企画・開発・実施までを行っている株式会社HRインスティテュート代表取締役社長の三坂健氏が、組織の強みや個性を活かし、企業風土や文化といった環境を整えながら、社員が主体的に活躍するチームを創る方法を3回に分けて解説します。 第1回の本稿では、そのヒントとなる「ワークアウト」という手法に焦点を当てます。
ワークアウトの定義
ビジネスリーダーの多くは「主体的な人材を育成したい、チームを創りたい」「主体的に行動する組織やチームを創れる"後継者"を育てたい」といった想いや問題意識を持っています。そこで、各社研修プログラムを実施したり、外部のコンサルティングを受けたりしながら問題解決を図っていることと思います。 私たちは、年間300以上の企業からそのような相談を受け、各企業に合わせたコンサルティングと研修プログラムの企画・開発・実施を行ってきました。その中でたどり着いたのが、ここで紹介する「ワークアウト」というプログラムです。 「ワークアウト」はもともと米ゼネラル・エレクトリック(GE)で採用されている問題解決や風土改革のための手法の一つでしたが、弊社HRインスティテュート創業者である野口吉昭が、そこに加えて日本企業の特徴である「現場力」という観点を組み合わせました。そこから30年、時代に合わせて洗練し続けているプログラムが、私たちが定義するワークアウトです。このワークアウトで重要になるのが、 ・「らしさ」を重視する ・「質のよい」経験学習サイクルをまわす という2つのコンセプトです。 ワークアウトでは、その企業「らしさ」を最大限に重視します。「らしさ」を意識し、それを軸とした組織づくり、人材育成をすることで、競争優位性が高まるとともに、社員の自律的な行動が促され、結果として社員がその会社に留まる大切な理由の一つとなります。 また、「質のよい」経験→解釈→判断→行動のサイクルを通じて、日々推進される事業、そして現場での経験や関わりをよりよいものにし、何よりもその組織や人材に気づきを与え、成長を後押ししていきます。 これらを継続することで指示待ちの現場に変革がもたらされ、社員が主体的に考え、行動するカルチャーが組織の中に形成されていくのです。