「五星旗」不掲示に不満 中国でボイコット運動 パリの台湾系ホテル、運営会社が謝罪
(台北中央社)台湾のエバーグリーン(長栄)グループ傘下のホテルチェーン「エバーグリーン・ローレル・ホテル」(長栄桂冠酒店)がパリで運営する店舗が、中国国旗「五星旗」の館内での掲示を拒否したとして、中国で系列ホテルのボイコット運動が展開されている。同社は15日、上海長栄桂冠酒店の公式サイトで謝罪の声明を発表し、「この出来事が両岸(台湾と中国)の人々の感情に影響を与えることは望まない」と強調した。 ボイコット運動は、中国のインフルエンサーが13日に公開した動画を発端に始まった。インフルエンサーは動画で、同ホテルの館内に飾られていた五輪参加国の国旗の中に五星旗だけが含まれていなかったとして、ホテル側に抗議。五星旗の提供を提案したが責任者に断られ、不満を表明していた。また、同ホテルの料理人を自称する中国籍の男性がインフルエンサーのインタビューに応じ、当初は五星旗も飾られていたものの、台湾人総経理(支配人)によって取り除かれたと明かした。 動画の公開後、一部のホテル予約サイトから上海やパリにある系列ホテルのページが撤去されるなど、騒動が拡大している。 長栄桂冠酒店は声明で、今回の出来事については「思慮が足りなかった」とし、一部の宿泊客に不快な思いをさせたことや各界からの関心に対して「深くお詫びする」と謝罪した。その上で、関係従業員への教育、訓練を強化し、再発防止に努めるとした。また同グループ創業者の張栄発氏が生前、両岸の経済・貿易交流推進に尽力していたとし、同社もこれまでと同様に張氏の理念を守り、「両岸関係が平和的に発展し、両岸の人々が共に期待する方向に前進することを望む」と表明した。 (編集:名切千絵)