「サントリー天然水」が未来の水資源への啓発活動を強化、“次世代ウォーター・ポジティブ プロジェクト”を水の日(8月1日)から開始/サントリー食品
サントリー食品インターナショナルは7月31日、「サントリー天然水」から“次世代ウォーター・ポジティブ プロジェクト”を水の日である8月1日よりスタートすると発表した。「ウォーター・ポジティブ」とは、取水量以上の水を水系に育むことという。 同プロジェクトは、「サントリー天然水」が取り組む「ウォーター・ポジティブ」を発信するもの。10代の次世代の子どもたちを、未来に水をつなぐための象徴的な世代と捉え、未来の水資源への気づきを促す啓発活動を展開・強化していく考えだ。 サントリー食品ブランドマーケティング部の多田誠司部長は、「水を未来につないでいくための象徴である次世代の子どもたちへの啓発活動を通して、子ども世代だけでなく、より幅広い世代の多くの方に、水は限りある資源であることに気づき、自分自身に何ができるかを考えるきっかけとしていただきたい」と話した。 これまで行ってきた幼児~小学生を対象にした取り組みの強化に加え、高校生による「ウォーターポジティ部」を新たに発足し、次世代の消費者に「水資源の大切さ」の興味喚起・理解促進を図っていく。 “次世代ウォーター・ポジティブ プロジェクト”は、3つの方法で水への学びを深める体験参加型の啓発施策を実施する。
幼児~小学生向けには、「サントリー天然水」工場におけるスタンプラリーや自由研究イベントを実施。天然水や天然水を育む森について学べる取り組みとなっている。
小学生向けには、授業で“水を未来につなごう”プログラムを今年5月から展開している。小学4年生の社会科授業「水」の単元をターゲットに、水が限りある資源であることや水資源を未来につなぐための活動を発信し、児童自身にもできる身近なことを考える内容。今年は5000人を上限に募集をかけたところ上限人数を超える申し込みがあり、来年は5万人以上に拡張する予定だ。
中学生から大学生に向けては、有志で集まった約20人の高校生による「ウォーターポジティ部」を発足し、水について主体的に学ぶことで得た知識や気づきを、堅苦しさのない分かりやすい方法で発信していく。インスタグラムアカウントでの発信を行うほか、さまざまな啓発活動を検討している。 これらの取り組みにより、同社は2026年までに累計10万人に対して水への学びを深める啓発活動を行っていく計画だ。 7月31日の発表会には、武蔵野大学客員教授であり、水ジャーナリストの橋本淳司さんも登壇した。橋本さんによれば、2050年には世界人口の約半数にあたる約50億人が水不足に直面する可能性があるという。また、日本の年間降水量は陸地世界平均の約2倍だが、人口密度が高いため、1人当たりの水資源賦存量(利用可能な水の量)は世界平均の約半分だという。そのため、「“日本は水資源豊か”というのは間違いだ」と話した。 ただそれでも、日本が水に恵まれ、渇水しないのは、上下水道など人工的な構造物や、森林や田んぼなどの自然生態系や人為的な生態系、それらを支える人々をあわせた“みんなの水のインフラ”がしっかりしているためだという。橋本さん次のように話す。「みんなの水のインフラの危機は、公共の不利益である。これからは、行政や所有者だけでなく、行政、地域住民、企業の協働管理体制をつくることと、水資源をみんなで守るという自分ごと化する必要がある。その点からも水の教育の果たす意義は大きい」。 今回のプロジェクトにより、「サントリー天然水」ブランドにはどんな効果が期待できるのか。多田部長は、次のように語る。「次世代の子どもたちへの啓発を通して、水資源の大切さ、水を育む森の大切さに気付いていただくことは、清らかでおいしい天然水を未来につないでいくことにつながり、“サントリー天然水”ブランドにとって非常に重要だ」。 「また、我々の、水を未来につなぐウォーターポジティブの活動を知っていただくことは、サステナビリティーへの関心が高まる今、ブランドを支持していただき、飲み続けていただく理由にもなると考えている」。 サントリーは、20年以上前から「サントリー 天然水の森」活動に取り組み、国内工場で汲み上げる地下水量の2倍の涵養を達成し、16都府県25カ所で1万2000ha超(2024年7月)となった。ウォーター・ポジティブへの思いは強く、今回発表した次世代が水資源を考えていくプロジェクトも、これまでにない規模での展開となるため、業界内外から注目されそうだ。
食品産業新聞社