欲しかった中期モデル【1】普通車から軽自動車へ乗り換える。しかも一番下のグレードへ|1968年式 スバル360 スタンダード
「大事なのは純正の状態を生かしつつ、自分好みのスタイルにすること」。こう割り切って、軽の名車スバル360のモディファイに力を注ぐオーナー。難関のエンジンチューニングはもちろん、あの手この手でたくましく育った小粋なミニマムマシンに、スポットライトを当てる! 【画像27枚】スタンダードならではのシンプルな見栄えとネガキャンの車高が見事にマッチ。室内が透けて見えない、今でいうスモークの効果をもたらす当時物のマジックカーテンも、ちょっとヤンチャな旧車スタイルには欠かせない。純正3.5Jのホイールを、フロント5J、リア6Jにワイド化。さらにオーナー自身がペイントや溶接のつなぎ目を消す作業も行った 【1968年式 スバル 360 スタンダード vol.1】 普通車から軽自動車へ乗り換える。この流れは、一般的なクルマの世界ではおなじみだ。しかし、この旧車モディファイの世界では、普通車をベースにすることが圧倒的多数を占め、軽をイジろうとか、ましてや普通車から軽に鞍替えすることなど、かなり珍しいケースといえる。 軽に乗り換えたばかりか、その魅力にドップリとハマってしまったオーナーがいる。茨城県にお住いのオーナーだ。オーナーは現在 51歳。ということは、青春時代は峠を攻めたりドリフトするのが流行った時期で、御多分にもれず、そこからクルマをモディファイする魅力に引かれて旧車に到達。一時はB110サニークーペGX‐5のTS1300フルチューン仕様も所有していたそうだ。 転機となったのは、LC10Wフロンテクーペを購入したこと。「360の軽って遅いとばかり思っていたけど、これは速くて驚いた(笑)」 と、軽自動車のパフォーマンスに開眼。 以来、子供のころから気になっていたスバル360に一度は乗ってみようと思い立ち、ベース車を探しまわり、偶然にも仕事関係の工場に眠っていた車両と出合う。今から11年前の話だ。 「スバル360は年式によって微妙にカタチが変わります。自分が欲しかったのは中期と呼ばれるモデルで、テールレンズが小判型になっています。出合ったスバルは、まさにその中期。しかもシングルナンバーで、一番下のスタンダードというグレードであることも気に入り、交渉を重ねて、譲っていただけることになりました」 主要諸元・チューニング SPECIFICATIONS 1968年式 スバル 360 スタンダード ▪エクステリア:グレーラッカーペイント(一部スズキスイフト純正イエロー調合色)、マーシャル製凸型ヘッドライト、 他車用フロントサンバイザー加工、マジックカーテン、純正形状社外フェンダーミラー、富士山ナンバーフレーム ▪エンジン:1㎜オーバーサイズピストン、1㎜ヘッド面研、圧縮比アップ ▪吸排気系:ソレックス32PHH+メッキエアファンネル、ワンオフインテークマニホールド、出口2本出し加工 ▪点火系:デンソー製GTコイル、永井電子機器製シリコンプラグコード、点火時期変更(18度) ▪燃料系:ニスモ製電磁ポンプ、ホーリー製レギュレーター、燃圧計、オートバイ用燃料フィルター+燃料コック ▪駆動系:4速ミッション載せ換え ▪サスペンション:(F)トーションバーコマずらし加工、ゴムブッシュ加工 (R)トーションバーボルト緩め加工 ▪タイヤ:ダンロップ SP10(F)145SR10(R)145SR10 ▪ホイール:鎌ヶ谷ワイドホイール純正ワイド加工+自作スムージング加工&ペイント(F)10×5J(R)10×6J ▪インテリア:スバルR-2 SS純正ステアリング+スタンダード用ホーンボタン+スバル360ヤングSS用エンブレム、スバル360ヤングS用メーター、マーシャル製ウッドシフトノブ、大森メーター製電流計/電圧計、永井電子機 器製時計、純正張り替え&染め直しフロントシート、デラックス純正リアシート 初出:ノスタルジックスピード 2020年 2月号 vol.23 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部