2023年度の国内キャリア投資は2.5兆円割れ、国内ネットワーク機器投資は約4000億円
MCAは、国内主要キャリア各社の設備投資に関する調査を実施し、その結果を調査レポート「主要キャリアのネットワーク投資戦略と通信インフラ市場 2024年版」に取りまとめた。そこで同レポートから、主要キャリアの設備投資やキャリア向けネットワーク機器市場の状況を取り上げたい。 【この記事に関する別の画像を見る】 ■ SBグループと楽天モバイルの投資抑制が国内キャリア投資額に影響 2023年度の国内市場におけるキャリアグループの合計設備投資額は前年度比3.5%減となる2兆4491億円になった。2023年度はKDDIグループによるDCプロバイダ買収に伴う投資拡大があったものの、ソフトバンクグループは前年度947億円減となる3128億円、楽天モバイルは同1176億円減の1776億円と、投資を縮小している。 2024年度は通常運航となるKDDIグループ、さらなる投資抑制を計画する楽天モバイルにより、2兆3026億円まで投資が落ち込むことが予想される。ソフトバンクグループと楽天モバイルが2023年度以降の投資抑制を発表しており、今後、国内キャリア投資推移は2022年度を境に縮小していくものとみられる。その後も投資は微減が続くものの、2027年度の国内キャリアグループの合計投資額は2兆1854億円と予測した。 ■ 移動系キャリアが牽引する国内ネットワーク機器投資 国内キャリア各社における2023年度のネットワーク機器投資は4095億円と推定した。主な内訳はKDDIが1118億円、NTTドコモが654億円、ソフトバンクは558億円、楽天モバイルが443億円。携帯電話事業を行う4社が全体の67.7%となる2773億円を投下する。移動系キャリアが国内ネットワーク機器投資を牽引している点に変化はない。 また、NTTグループにおけるネットワーク機器投資は全体の40.9%となる1673億円を占めている。 ■ 2023年度のネットワーク機器別投資額は4095億円 2023年度のキャリア向けネットワーク機器別の投資額は、前年度比4.1%減となる4095億円となった。伝送装置と携帯電話基地局は縮小したが、ルータやスイッチ、PON/MCが拡大している。 今後、伝送装置やルータ、スイッチは微増していくものの、基地局やPON/MCが微減していく見込みである。基地局は年度の新局数縮小が見込まれるため、市場縮小が想定される。
ケータイ Watch,MCA