“紀州のドンファン”裁判あす判決 清原博弁護士、弁護側の主張に「はっとしました。確かに言う通り…」
国際弁護士の清原博氏が11日、TBS系「ゴゴスマ~GOGO!smile~」(月~金曜後1・55)にコメンテーターとして生出演し、18年に「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家野崎幸助さん(当時77)を殺害したとして、殺人罪に問われた元妻須藤早貴被告(28)の裁判員裁判について解説した。 須藤被告は18年5月、野崎さんに何らかの方法で致死量の覚醒剤を摂取させ、殺害した罪に問われている。9月から4カ月にわたった裁判は、12日に和歌山地裁で判決が言い渡される。 犯行を立証する直接証拠に乏しい中、検察側は須藤被告が薬物を購入したとする元売人の証言など、多数の状況証拠を積み重ねた。「楽をして遊ぶためのお金を得るためという動機は、極めて悪質で、人命軽視もはなはだしい」などとして、無期懲役を求刑。一方で弁護側は先月18日の最終弁論で「薄い灰色を何回重ねても黒にはならないんです」などとし、無罪を主張している。須藤被告も「ちゃんと証拠を見て判断して欲しい」と訴えていた。 お互いの主張が真っ二つに割れている。MCのフリーアナウンサー石井亮次が「ゼロか100かみたいな判決になる」と見解を話すと、清原氏も「今回はそうなりますね」と返答。「須藤被告がもし有罪であれば、反省の態度とか、そういったことが全然ないわけですから、求刑より軽くする理由はあまりないんです。有罪であれば求刑通り無期懲役ですし、無罪であれば無罪」と解説した。 ともに決定的証拠がなかった裁判。清原氏は「双方の言い分を聞きますと、それぞれ検察の言うこともなるほどと法律家から見て思うし、弁護側が言うことも確かにそうだねというところもあって、なかなか決定的なものが双方にもない感じの状況になっているなと」と、自身の印象を口にした。 また野崎さんが殺害されたのであれば、殺害方法について検察側は説得力のある状況証拠を示せなかった。弁護側は「どう飲ませたかを考えずして、須藤被告が犯人とは決めつけられない」と訴えた。清原氏は「殺人事件というのは、どうやって殺害したか、ここがまさに中核ですよね。検察側は“何らかの方法なんですよ”とぼやっとしか言わない。“そんなんで殺人と言えるんですか?”と弁護側は突いているわけで、私もその通りだと思う」と述べた。 須藤被告は野崎さんの死亡前から、「覚醒剤 死亡」「完全犯罪」などといった言葉をネット検索していた。弁護側は被告を「検索魔」と称しつつ、「検索魔の須藤被告の端末からは、薬を飲ませる方法について検索した履歴はない」とも訴えた。これに清原氏は「弁護側の言い分は私もはっとしましたね。確かに殺害って普通じゃないと思いますけど、仮に殺害する人がいたら、殺害方法というのは検索する可能性は高いと思う。それが出ていないというのが、確かに弁護側の言う通りだなと思いました」と見解を述べた。