熱中症予防は6月から!しっかり「発汗できる体」を作って、猛暑に打ち勝つ
熱中症の予防と心得
こうして汗をかきやすい体を作って、いざ猛暑の夏に挑みます。ここからは、長谷川教授に教えていただいた、暑い時期の熱中症予防をご紹介します。 ⚫︎「体重」の変化と「尿の色」に注意する 体の脱水は、熱中症につながります。予防の一つとして、水分補給は多くの方が意識されていますよね。 よく「喉が渇いたと思ったらすでに脱水している。その前に水分を摂ろう」と聞きますが……。実際のところ、どのタイミングで飲めばいいのでしょうか? 「体が脱水すると、一日の中でも体重がガクンと減る場合があります。 たとえばスポーツや屋外で仕事をするなど、体を動かして汗をかく場合、前後で体重をはかると1kgや2kg減っていることがあります。これは痩せたのではなく脱水です。 スポーツ選手などは、そもそも動く前にしっかり水分を摂っています。もちろん、動いた後も汗で失われた水分と塩分を補給します。発汗による極端な体重の変動がないことも大体調管理の一つです」 「また、尿の色にも脱水のサインが現れます。いつもより濃いと感じたら、要注意。 インターネットで『尿カラーチャート』と検索してみてください。すると、健康な状態から脱水レベルごとの尿の色が一覧になったチャートが出てきます。薄い黄色が健康な状態ですが、脱水が進むとだんだん黄色が濃くなってきます。さらに脱水がひどくなると、最終的には緑がかった黄色になるんです。 これを目安に、朝いちばんの尿で色をチェックする習慣をつけるとよいでしょう」 ⚫︎毎日の「暑さ指数」をチェック 近年の酷暑もあり、この4月から政府による「熱中症特別警戒アラート」の運用がスタートしました。これは危険な暑さが予想される場合に熱中症への警戒を呼びかけるものです。 いまや天気予報と同じくらい、チェックするのが常識となりつつある、こうした熱中症関連の情報。 長谷川教授が教えてくださったのは、気象庁が発表する「暑さ指数(WBGT)」です。これは、熱中症予防を目的に、1954年にアメリカで提案された指数。気温・湿度・太陽からの輻射熱も加味した数値で、熱中症の危険性を知ることができます。 「まずは環境を把握すること。そして、無風状態なら扇風機を回したり窓を開けるなど、適切な対応をとりましょう」