トランプ氏、財務長官まだ指名に至らず-新政権の要となる人事で混迷
(ブルームバーグ): トランプ次期米大統領は、選挙公約である経済再建の陣頭指揮を執る財務長官をまだ指名できていない。2025年1月に発足する新政権には大きな穴が空いたままとなっている。
事情に詳しい関係者によれば、トランプ氏は候補の一人とされるケビン・ウォーシュ元連邦準備制度理事会(FRB)理事と一両日中に面接する予定。財務長官ポストを巡っては、ヘッジファンド運営会社キー・スクエア・グループ創業者のスコット・ベッセント氏とキャンターフィッツジェラルドのハワード・ルトニック最高経営責任者(CEO)それぞれが自らを売り込むなど混乱が広がっている。
ルトニック氏は商務長官への起用が検討されていると関係者は明らかにした。トランプ氏の政権移行チームにコメントを求めたが、返答は得られていない。
政権移行チームは選挙での勝利後に閣僚候補や上級スタッフの人事を相次いで発表してきたが、トランプ氏による財務長官の指名は滞っている。トランプ陣営の選挙公約は主に、有権者の間で最重要課題となっていた経済と移民に焦点を当てていた。
事情に詳しい関係者によれば、財務長官ポストを巡るベッセント氏とルトニック氏の争いが表面化したことで、トランプ氏の側近は代替候補探しに奔走せざるを得なくなった。アポロ・グローバル・マネジメントのマーク・ローワンCEOやハガティ上院議員(共和、テネシー州)も財務長官候補に挙がっているという。
ベッセント氏は先週、国家経済会議(NEC)委員長および財務長官のポストについてトランプ氏と話し合ったことが、関係者の話で明らかになっている。
原題:Trump Faces Treasury-Sized Hole in Cabinet as He Ponders Choices(抜粋)
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Saleha Mohsin, Nancy Cook