新垣結衣、10代の頃以来の夏帆との共演も全幅の信頼「夏帆ちゃんの存在にすごく助けられながら過ごしていました」
俳優の新垣結衣が5月29日に都内で開催された映画「違国日記」公開直前イベントに登場。共演の夏帆、メガホンをとった瀬田なつき監督とクロストークを行い、完成した映画を見た感想や、10代の時に仕事をして以来の共演で、芝居の仕事では初共演となった夏帆への思いなどを語った。 【写真】「歯を見せて笑って!」というカメラマンの指示に応えてニッコリする3人 ■新垣が人見知りの小説家に 同映画はヤマシタトモコ氏の同名漫画が原作で、人見知りな小説家の高代槙生(新垣)と、その姪・田汲朝(早瀬憩)の対照的な2人による同居生活を描く物語。なかなか理解し合えない寂しさを抱えながらも、丁寧に日々を重ね生活を育むうちに家族とも異なる、かけがえのない関係になっていく姿を映し出すヒューマンドラマとなっている。 もともと原作が好きで出演が決まる前から読んでいたという新垣は、完成した映画を見た感想を「いつも自分の出演作品を見る時、1回目は反省点みたいなものをすごく見てしまうので、なかなか客観的にはなれなかったんですけど」と前置きしつつ、「今回の作品は初見から、(心が)洗われた気持ちになったというか、シーンごとの空気感がすごく伝わってくるなと。夏の湿気混じった緑の匂い、土の匂い、体育館の冷える感じとか槙生ちゃんの部屋の匂いとか、そういうのがすごく伝わってくる作品だと思って。それによって物語に引き込まれるような気持ちになれて、すごくいいなと思いました」と振り返った。 また、新垣とW主演を務める早瀬演じる朝の演技についても「朝ちゃんの歌唱シーンに、本当に心が洗われて…。晴れたような気持ちで試写室を出て、監督と笑顔を交わした記憶があります」とほほ笑んだ。 今回登壇した新垣と夏帆は、演技の仕事としてはこれが初共演。10代の頃に仕事をして以来、その後は特に共演もなく、すれ違った時にあいさつを交わす程度だったという。 そんな夏帆について、新垣は「10代の時にお芝居とは違うんですけどお仕事はご一緒していて、そこからもう10年以上共演することはなかったんですけど、“ずっと前から知っている人”という意識はあって。本読みの時に初顔合わせになったんですけど、その時から『わ~!(手を振り合うしぐさ)』みたいな(笑)。距離がないみたいな感じだったので、夏帆ちゃんが醍醐を演じると聞いた時にも、すごくキャラクター的にもピッタリだなと。原作ほど一緒のシーンは多くないけれど、醍醐と槙生の歴史というか、一緒に過ごしてきた時間を表現する時にすごく安心感があるなと感じていて。一緒にインタビューを受けている時に夏帆ちゃんもそう言ってくれていて、不思議な感覚でした」と長らく共演することはなかったものの、不思議な空気感でつながっているような感覚があったことを伝えた。 ■夏帆も同じ気持ち「すっと友達同士になれた気がして…」 一方、うなずきながら聞いていた夏帆も「まさに同じことを思っていて、原作ほど映画の中では2人の関係が描かれていないので、2人の空気感を短い時間の中でどう表現できるかというのは、リハーサルの前にいろいろ考えていたんです」と話す。 その上で「実際に結衣ちゃんに会ったら本当にすごく久しぶりに会ったはずなのにその時間を感じなくて、すっと友達同士になれた気がして。特別何かこちらからアプローチして関係性を作るとか、話し合うとか、そういうことをしなくてもこれは大丈夫だ!と撮影に入る前に思えたので。根拠はないんですけど、(映画出演の)お話を頂いた時から『主演が新垣結衣さん』って聞いて、何か大丈夫なんじゃないかなってすごく思って(笑)」と、こちらも似た感覚を持っていたことを打ち明け、2人で「不思議だね~」と笑顔で目を見合わせた。 それを受けて、あらためて新垣は「私は親近感を持っているけど、相手はそう感じていないかもしれないってほんのちょっと思ったんですけど、顔合わせたら『わ~!』ってすぐなれたから、『やっぱり!』みたいな気持ちがあって。撮影に入ってからも、撮影の合間も醍醐として現場の空気をすごく動かしてくれて、華やかにしてくれて。槙生が醍醐に節目節目ですごく助けてもらっているんですけど、私自身も夏帆ちゃんの存在にすごく助けられながら過ごしていました」と役柄ともリンクして、夏帆の存在が大きかったことを伝えていた。 映画「違国日記」は、6月7日(金)より全国ロードショー。 ◆取材・文・撮影=月島勝利(STABLENT LLC) [EXCLUDE]