「すみません」を言い換えるだけで幸福度が1.5倍アップする「魔法の言葉」
上司が仕事を押しつける、部下が言うことをきかない、得意先が理不尽な要求をする、仕事が忙し過ぎる…。現代に生きる人は様々なストレスにさらされながら生きています。そんな時、ストレスをうまくかわせる方法があればかなり楽になりますよね。そこで今回は内科医・工藤孝文氏監修の新刊『「ストレスに負けない人」の習慣、ぜんぶ集めました。』(青春出版社刊)から、ストレスに強くなる日常習慣について、抜粋して紹介します。 ● 不安や怒りを感じたら、 紙に書き出してからポイッと捨てる 腹が立つ、イライラする、不安でたまらない……。こうした感情が湧き起こった場合、ストレスをためない人がこっそり行っている秘密の対策を紹介しよう。イヤなことが起こった日は、その気分を紙に書き出してみるのだ。 紙に書き出す行為にどのような効果があるのか、米国南メソジスト大学が行った研究を見てみよう。 あるグループには毎日、いままで体験したトラウマや悩みを、別のグループにはその日の出来事などを書いてもらった。こうした違う習慣づけを4日間続け、実験前後に血圧や心拍数、血液などを調べ、6週間後に再び採血した。 その結果、ネガティブな内容を書いたグループのほうが、長期的には精神的な苦痛や免疫、自律神経などが改善したことがわかった。 イヤな気分を書くだけではなく、毒を吐き出した紙を捨てると、一層、メンタルに好影響を与えることも明らかになっている。 このストレス対策の有効性を証明したのは、名古屋大学の研究だ。学生に参加してもらい、提出された意見に対して、「大学生の文章とは思えない」といったように、わざと怒らせるようなひどい評価を下して返答した。
学生は当然、腹が立つ。そのイヤな気分と、なぜ怒りが湧くのかを客観的に紙に書き、そのうえで紙をクシャッと丸めてゴミ箱に捨ててもらった。すると、怒りの数値が下がって、怒る前のレベルまで回復した。ゴミ箱に捨てる代わりに、シュレッダーにかけて裁断しても、同じように怒りは次第に収まった。 一方、書き出した紙を捨てないで持っていると、ゴミ箱に捨てたりした場合と比べて、怒りはそれほど収まらなかった。 かなり即効性のあるストレス解消法なので、試してみてはどうだろう。ただ、怒りを吐き出した紙を誰かに見られるのは恥ずかしいものだ。紙をビリビリ破って、ゴミ箱に捨てるのがいいかもしれない。 ● 1日たった6分、本を読むだけで、 ストレスが68%も軽くなる! 仕事が忙しくて心身ともに疲れてしまった、あるいは人間関係のモヤモヤが収まらない……。こういった日の夜、ストレスを上手に忘れられる人は、本を開いてその世界に入り込む。 英国サセックス大学の研究によると、本を読みはじめてわずか6分後、ストレスのレベルが約68%も軽くなった。そのリラックス効果は、散歩やゲーム、音楽鑑賞、お茶を飲むときよりも大きかったという。 本の内容に集中することで、日常の不安や心配ごとを忘れ、ストレスによる筋肉の緊張などがゆるんだのではないか、と考えられている。ストレスを強く感じた日こそ、本をたっぷり読むようにしよう。ただし、読書が嫌いな人は、本を読むこと自体がストレスになって逆効果だとか。別のストレス解消方法を試すほうがいい。 ● 「ありがとう」と言えば言うほど ストレスが遠ざかっていく エレベーターに乗ろうとしていると、トビラが閉まりかけた。すると、先に乗っている人が「開」ボタンを押してくれた。 このとき、あなたが口にする言葉は、「すみません」「ありがとうございます」のどちらだろう。 自分もまわりも明るい気持ちになれるのは、もちろん後者のほうだ。そして、「ありがとう」と口にすればするほど、ストレスのない毎日をおくることもできる。食品メーカーのネスレ日本が行った「日常の感謝行為」に関するアンケート調査が興味深いので紹介しよう。