プロ野球トライアウトでアピールに成功した人と失敗した人
プロ野球12球団合同トライアウトが13日、福岡の「タマホームスタジアム筑後」で投手29人、野手19人の合計48人が参加して行われた。過去にタイトルを獲得した元阪神の西岡剛(34)、元ヤクルトの成瀬善久(33)のビッグネームに加え、2015年に2桁勝利し、まだ23歳の元中日の若松駿太や、巨人でユーティリティープレーヤーとして存在感を示していた中井大介(28)、地元ソフトバンクの日本一メンバー、吉村裕基(34)、城所龍磨(33)らも現役続行を目指して参加したが、ここ2年続けて3人しか再契約選手が出ていないという狭き門。今回のトライアウトでアピールに成功した選手は誰だったのか。 トライアウトを中継した局のレポーターとして全選手をチェックしていた評論家の池田親興さんは、「毎年、見ているわけではないが、今年は投手より野手に“まだできる”という選手が目立ったのではないか」という見立てをした。 「野手では、城所、吉村、中井、桝田の4人は、やはり1軍レベルの選手。欲しい球団があればマッチングできる。城所はスピードがあって守れる。ソフトバンクは、こういう選手は内外野の両方ができないと1軍に置いてもらえないが、機動力と外野の守備力の確実なバックアップメンバーが欲しいチームなら十分に働けるだろう。中井は、その内、外野のすべてがユーティリティーだから使い道は広がる。枡田は、勝負強さがあり、左の代打の手薄のところは欲しいだろう。楽天はドラフトで大型即戦力外野手の辰巳を取れたことで、ポジションの重なる聖澤、桝田を戦力外にしたというから、純然たる戦力外ではない。こういう選手は、うまく補強ポイントの合致するチームにはまれば面白い。阪神の今成もバッティングはいいし、内野、捕手もできるのはアドバンテージ」 城所は5打数2安打。元ロッテの左腕、宮崎敦次(25)からもセンター前ヒットを放ったし、盗塁を決めてスピードもアピールした。 「ファンの皆さんに元気な姿を見せたかった。15年間培ったものを評価してくれる球団があれば生かしたい」 中井も、成瀬のスライダーを逆らわずに右中間にうまく打った。ヒットは1本だけだったが、2つの四球を選び、「今やれることはやった」と、手ごたえを感じていた。 バッティングで、この日、最も目立ったのは、元楽天の枡田慎太郎(31) 。元ヤクルトの古野正人(32)の143キロのストレートをとらえて鮮やかなセンター前ヒットをマークすると、元巨人の左腕、乾真大(29)からは、左対左を苦にせず、反対方向にさばいて、レフトオーバーのツーベース。「風もあったが、逆方向の打球は僕の持ち味。できることは出し切れた」と、桝田も満足そうな表情だった。 吉村は、内野安打1本に終わり、内容としては不完全燃焼だったが、「自分のスイングはできた」。長打力のある右の代打として調査を行っている球団が複数あるという。