私「待機」やめました(1) 夫婦交代制の育児
キャリアと子育てのはざまで揺れるライフスタイルの選択
仕事のある日は朝6時に起きて7時に出勤、8時半に仕事をスタートし、16時には終了。帰宅後、夫と娘が入浴している間に食事の支度をし、家族みんなで夕食をとる。出勤日の洗濯や昼食の準備は夫に任せ、午後のみの勤務の日は、夫と娘が遊んでいるそばでゆっくりと朝食と夕食の準備をすることも。昼食を3人で公園で食べ、美絵さんはそのまま職場へ。夫は、朝の洗濯を済ませると娘と公園に行くことが多く、娘はインドア派の美絵さんとは違う父親との時間の過ごし方を楽しんでいるようだ。 夫に「保育園に預けた方がいいか」と話したこともある。「重荷には感じていないし、夫婦2人で子どもを見られるほうがいい」と夫も美絵さんのやり方に同意。このスタイルに落ち着いている。出勤日に思い切って家事と育児を夫に任せることで、その両立の大変さを分かち合うことができたのも良かったという。 美絵さんの今の悩みは、2人目以降の妊娠をのぞむ中でのキャリアの存続だ。週に2回ではあるが仕事は再開できたものの、このまま再び妊娠・出産・育児のサイクルを2人目、3人目と繰り返すと、自分にとってやりがいを感じる本格的な仕事につけるのは何年先になるのか。また、子どもが一人のいまだから夫婦での分担が可能だが、子どもが2人になると今のスタイルでの両立は難しいだろうと考えている。保活も就活も大きなパワーがいる。体力的にも精神的にも、環境的にも本格再開するのは大変だと感じている。 美絵さんは、子どもが成長したら、総合病院など、不妊治療の専門性が生かせる固定の現場で働きたいという希望を持っている。ただ、不妊治療は患者が来訪しやすい深夜や休日など、時間帯を幅広く設ける傾向があるため、育児をしながらの復帰は難しい。大学でともに学んだ友人が、災害ナースとして震災の被害のあったネパールを訪問していることを知り、「子育てをしている自分には現場での途上国援助は夢になってしまったが、いつかはまた」と希望は捨てていない。