「進学指導重点校」とは?ハイレベルな入試問題に独自のカリキュラム、東大合格者数トップ10に入る都立高校の教育水準
「自校作成問題入試」で独自の高難度な入試を実施
入試問題について、進学指導重点校と、進学を重視した単位制高校(「進学重視型単位制高校」)である新宿高校・国分寺高校・墨田川高校の国語・数学・英語、そして国際高校の英語は、都立高校共通の入試問題ではなく、各学校が独自に作成した「自校作成問題入試」です。 都立高校共通の入試問題は学校の教科書レベルなので、たとえば小山台高校、駒場高校など共通問題入試におけるトップ校では、少なくとも8割以上、内申点によっては満点近く得点しなければ合格できません。 一方で自校作成問題は、共通問題とは一線を画したハイレベルな問題。共通問題より文章量が多く、解答を出すための手順が複雑です。 たとえば共通問題の国語の場合、作文と漢字以外はすべて選択問題であるのに対し、自校作成問題では「80字以内で書け」などと指定文字数の多い記述問題が出ます。題材となる文章も、大学入試で出題されてもおかしくないような専門性の高いものです。 なかでも数学は難しく、自校作成問題の場合は受験者平均点が30~40点台になる学校が多いです。計算問題では小数・分数が入り交じった複雑なものが出されます。文章題は、共通問題が選択式のマークシートであるのに対し、自校作成問題は記述式で、解答に至るまでの途中式や考え方も記さなくてはなりません。 英語は昨今、共通問題でも文章の長文化が目立ちますが、自校作成問題はさらに長くて問題数も多いです。英作文においては、100単語程度と長い記述指定も見られます。50分の試験時間で全問解き切るというのは、長文に慣れている生徒でも容易ではありません。 そして、このようにハードルの高い自校作成問題入試を突破した生徒を教えるのもまた、選ばれた教員です。進学指導重点校の教員は、教員公募制の狭き門をくぐり抜けて採用された、指導力に自信のある先生たちなのです。 前述の日比谷高校では、英語のディスカッションやディベートなど、「英語で考えて、英語で話す」という機会が多く設けられています。入学後間もない英語の授業でいきなり、 アメリカのCBSニュースをリスニングして穴埋め問題を解いたり、1年生の夏期講習や土曜講習で東大の過去問を解くといったこともたびたび行われているようです。 入学後の3年間で大学入試対策を完成させるというのは、入試対策をしない国立高校はもちろん、私立の中高一貫校とも異なる都立難関校独自の指導です。