希少高級魚タマカイ、陸上養殖へ 秋田・男鹿、地域のブランド魚に
日本海の豊かな漁場に恵まれながら、近年は漁獲量の減少に悩む秋田県男鹿市で、魚を陸上養殖するプロジェクトが動き出した。危機感を背景に、地元水産会社やNTT東日本など8社が出資して新会社を設立。高級魚クエの仲間で、国内では希少な「タマカイ」を地域のブランド魚にする夢を描いている。 秋田県の漁獲量は1970年代に3万トンを超えていたが、近年は6千トンを下回る年が続く。男鹿名産で知られる「ハタハタ」はピーク時の1割にも満たない。高齢化などによる漁業者の減少に加え、海水温上昇など自然環境の変化も影響しているとみられる。 そこで2024年11月、地元水産会社などが集まり「男鹿なまはげ魚工房」を設立。同3月に閉館した市内の温泉施設の跡地を活用し、陸上養殖に乗り出した。 陸上養殖は天候の影響を受けにくく、安定した生産が見込める。飼育水を浄化して再利用するため、環境への負荷が少なく、寄生虫の発生リスクも抑えられるという。
タマカイはクエと同じハタ科の最大種で、主に熱帯に生息し、全長2m以上に成長する。