とにかく話題が途切れない。両国大会では３つのタイトルの初代王座決定戦も行なわれた。メインイベントでジュリアを下し“真紅のベルト”ワールド王座を獲得したのはフリーで活動するSareee。“純白のベルト”ユナイテッド・ナショナル王座は青野未来が２連戦をクリアしてチャンピオンに。55kg以下のスーパーフライ級は翔月なつみが手にした。 　 　青野、翔月はアクトレスガールズから移ってきた選手だ。アクトレスガールズはプロレス団体としての活動をやめ“プロレスを使ったエンタメ”を標榜しているが、コンセプトがうまく機能せず。結果、青野たちは新天地を求めた。 　２年あまりプロレス界から離れていただけに、元アクトレスガールズ勢はプロレスファンにとって“こんないいい選手がいたのか”という新鮮な存在だった。初代王者にスターダムからの移籍組がいないのも驚きだ。両国大会の全試合を通して、スターダムからの移籍組は勝ち星がなかった（翔月はスターダムでデビューしているがアクトレスガールズからの移籍組という意味合いも強い）。 　当初はスターダム離脱選手たちの団体というイメージだったが、マリーゴールドは短期間でまったく新しい舞台になった。新しい光景もいつかは見慣れるから、マッチメイクが“一周”してからが勝負というところもある。ただそうなるまでに、かなり盤石な場を作るだろう。 　次のビッグマッチは１月３日、大田区総合体育館で開催。まだ地方も含め頻繁にビッグマッチができるというわけではない。小川氏もいたずらに大会場を抑えるのではなく「身の丈に合った」興行を地道に重ねていきたいと言う。足場を固める意識もマリーゴールドの強みだ。 　同じく１月３日には、スターダムの東京ガーデンシアター大会もある。小川氏からは「新春興行戦争ですね」とマスコミ向けの言葉もあったが、開催時間は重ならないのではないかとも。マリーゴールドの可能性は十分。“1.3決戦”の動員数も比較されるだろう。しかし現段階で潰し合っても意味はない。調整が可能なのであれば、ハシゴ観戦可能な時間設定の実現を両団体にお願いしたい。ファンもそれを望んでいる。 取材・文●橋本宗洋