アギーレジャパン 『4‐3‐3』の中盤の3人は誰が適任か
アギーレジャパンは9日のベネズエラ戦(横浜国際総合競技場)へ向けて、大幅に先発メンバーを入れ替えるようだ。7日にメディアに公開した紅白戦では「4‐3‐3」の前3人を左から柿谷曜一朗(バーゼル)、大迫勇也(ケルン)、本田圭佑(ACミラン)と並べ、中盤の3人は初陣でインサイドハーフとして起用した田中順也(スポルティング)を柴崎岳(鹿島アントラーズ)に代えていた。 5日に札幌ドームで行われたウルグアイ代表との国際親善試合で、日本は0対2の完敗を喫した。クライマックスを迎えることなく90分間が終わってしまったアギーレジャパンの初陣にはいつくかの課題が浮上したが、その中でも中盤を構成する3人のプレースタイルに最大の問題があった。 キックオフまで1時間を切った段階で先発メンバーが発表された瞬間、大勢のメディアが集結していたプレスルームは少なからずどよめいた。リストの日本代表の欄には5人のDF が名前を連ねている。アギーレ監督が掲げていた新システム「4‐3‐3」とは、なかなか照合できない。 誰が中盤のアンカーを務めるのか。実は3バックで臨んでくるのではないのか。さまざまな憶測が飛び交う中で、キックオフ直前の選手配置から答えは弾き出される。日本代表はもちろん、所属するFC東京でもセンターバックを務める森重真人がアンカーを務め、前方のインサイドハーフに細貝萌(ヘルタ・ベルリン)と田中が並んだ。 細貝はボール奪取を得意とするボランチで、田中は今夏まで所属していた柏レイソルでFWを主戦場としていた。ともに運動量も豊富で、走力もある。強敵ウルグアイに対してアギーレ監督が守備を強く意識したのは明白だが、奪ったボールを前へ運ぶことがなかなかできない。 元日本代表MFで現在は解説者を務める水沼貴史氏は「ウルグアイ戦における日本代表の中盤には、ゲームを作れる選手がいなかった」とこう指摘する。「ビルドアップのときには森重が最終ラインに下がるので、必然的に細貝と田中の2人がボールを受ける回数が多くなる。インサイドハーフにはまず守備力がベースとして求められ、その上でボールを前線へつなげて、なかつ前線のスペースへ飛び出して積極的にフィニッシュへ絡んでいく能力が求められる。中盤の守備面では可能性を感じさせたし、インサイドハーフの役割に順応していけば化ける可能性も十分にあるので現時点ですぐにダメと言うわけにはいかないが、ボールをさばくという意味では、細貝と田中を配置するのは厳しいのかなという思いはあった」。